「そ、れっマーデ〜」悲しい色やねん Kjさんの映画レビュー(感想・評価)
そ、れっマーデ〜
大阪をここまで滑稽にデフォルメを効かせて取り扱うというのもない。なんちゅう関西弁喋っとるんや〜から始まるが、案外、極端に音痴なイントネーションは、指導能力のなさではなく、意図されたものかと思えてくる。歌舞伎なのか。ラストは名曲が貶められているようにも聞こえる。
暴力や賭博は肯定で、ヤクや殺人は否定らしい。善悪の境界線がわからず、主人公が何を目指しているのかが分からないが、30年後の大阪が行政主導で進めようとしているカジノのことを考えると、この喜劇も何かを言い当てているような気にもなる。
独特な演出にこれでいいのか、役者も迷ったのではないか?小林薫と江波杏子の作り上げる世界。ひとり天真爛漫さを発揮し、不可思議な芝居を超越してくる藤谷美和子が楽しい。
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