テロ,ライブのレビュー・感想・評価
全22件中、1~20件目を表示
腐敗した権力と共に凋落の運命をたどるマスメディア
開始早々繰り広げられるサスペンスの連続、犯人と主人公との息詰まる攻防戦、秒単位で次々と事態が急変してゆく様を畳みかけるような演出で見せていく手腕はさすがだ。本作は一見荒唐無稽な作品のようで当時の韓国社会を振り返るとかなり骨太な社会派サスペンスであることがわかる。
爆弾テロを起こした犯人の目的は一つだった。今まで自分たち国民の悲痛な叫びを無視し続けた国家、そしてその国民の声を代弁して国家権力を批判することが本来の役割であったはずのマスメディアがその使命を見失ってしまった由々しき現状。
もはや腐敗した国家権力同様、営利目的のスクープのみを追い続け、権力に迎合するだけの存在に成り下がったそんなマスメディアに対して復讐の狼煙を上げるために犯人は爆破テロを起こす。
犯人の要求はただ一つ、大統領による謝罪の言葉であった。国の繫栄の陰で搾取され虐げられてきた市井の人々、その叫び声に国家はいままで耳を傾けようとはしなかった。
しかし国家はそんなささやかな要求さえも拒んだ。テロリストの要求には応じない。一度テロリストの要求をのめば更なる要求が突き付けられるからだという。しかし犯人が求めたのは謝罪の言葉たったひとつだけであった。
彼はこの国の国民の一人であり彼には名前があった。テロリストという名ではない。テロ犯の要求には応じないというがその態度は国民一人一人の声に耳を傾けようとしないことと何ら変わりなかった。
劇中で政府側は犯人の要求には断じて応じないのだとしてそれを犯人と交渉する主人公のヨンファに強いる。謝罪に応じないとすれば犯人はさらに犠牲者を増やすだろう。そうすれば世論の犯人への同情は薄れ大統領は謝罪しなくても済むようになるというのがその狙いだ。
あえて犯人に罪を重ねさせてまで謝罪を拒もうとする政府側の対応に愕然とするヨンファ。なぜそこまでして謝罪を拒むのか。そうまでして権威を守りたいのか。国民の命を犠牲にしてでも守りたい国の権威とはなんなのか。
この国の権力者たちは国民の方を向かずどちらを向いているのか。そして彼も気づく、自分は今までどこを向いて仕事をしていたのかと。自分の出世だけを考えていたのではないのか。自分は国民のための真実を伝える報道をしてきたのだろうか。賄賂を受け取り権力におもねてきた、腐敗したメディアに自分もどっぷり浸かっていたのだった。
今回の爆破テロにしても最初から警察に通報していれば犠牲者が出ることもなかったかもしれない。今回の事件を機会に返り咲きのためのスクープとして利用していたではないか。
犯人は射殺され、自分をも口封じのために射殺しようとする政府。ヨンファは犯人が残した爆弾のスィッチを入れる。
ヨンファもろともテレビ局のビルは先に爆破されて覆いかぶさる建築中のビルと共に崩れ去っていく。
本作が公開されたのが朴槿恵政権の時代。奇しくも政権により表現の自由が制限された時代であり政府に批判的だとしてポン・ジュノなどの映画作家がブラックリストに載せられ弾圧された。当時政権によるマスメディアへの圧力は強く、また権力に迎合するメディアも後を絶たなかったため、同じく政府に批判的なジャーナリストやキャスターはその多くが解雇された。そんな政権はやがて汚職が原因で糾弾され崩壊の末路をたどる。
腐敗した権力と共に凋落してゆくマスメディア。本作のラストで崩れゆく二つのビルの姿。大きなビルがテレビ局のビルに覆いかぶさりテレビ局のビルはその重みに耐えられず崩れてゆく様はそれはあたかも国家権力が上からマスメディアに覆いかぶさりともに自滅してゆく姿を思い起こさせる。
それはまさに権力と共に滅んでゆくマスメディアの姿そのものであった。
時の権力とその権力におもねたマスメディアはともに滅び去ってゆく運命にあった。そんな姿を象徴するかのようなラストであった。
今回、本作のリメイク作品「ショウタイムセブン」を見て久々に再鑑賞していまさらながら本作の完成度の高さにうならされた。
阿部寛の方がイケメンでした
※日本映画「ショウタイムセブン」のネタバレも含みます
阿部寛の方がかっこいいですけど、ショウタイムセブンの原作のこちらの方が作品としては上でした。やはりショウタイムセブンの出来はイマイチ。もったいなかったですね。
こちらは爆弾テロの対象が火力発電所では無く、大きな橋。しかも取り残されている人質がいる。そこには愛する元妻も。橋に取り残された人たちは今にも崩れ落ちそうで・・・というハラハラドキドキ度はこちらが断然上でした。
また、妙に優しくて誰も殺さないショウタイムセブンの犯人と違い、本家のこちらは普通に殺してます。特に途中で放送に入ってきた人、日本版では高校教師、韓国版は警察庁長官でしたが、日本版の「実は生きてました~」と言うのはシラケましたね・・・。誰も救助せずそのままずっと放置されてるのも違和感あったし。
本家の韓国版はきっちりと死んでましたからね。これが普通でしょう。
ヒドい状況になったときにこちらの主人公は「もう(放送を)やめよう」と弱音を吐きます。「何を言ってるんだ、続けるぞ」ばかり言う日本版阿部寛と比べると本家の方が普通。こちらの方がリアルな主人公です。
まあ韓国版も犯人がスゴすぎるのは変わらなかったですね。爆弾仕掛けまくりとかね。特にスタジオ内のイヤホンなどに仕掛ける能力はスゴいです。いったいどうやってるんだろう?
また、ラジオのプロデューサーから情報を速攻で得て他局にリークするとかも有能すぎます。スーパー犯人です。
橋の端に引っかかっていた車が落ちてましたが、周りの人が体重かければ落ちなかったと思うけどなあ。
そうそう、本家の方も警察の動きを生中継で犯人に伝える報道陣でしたね。アホかと。
最後は同じく爆発エンドでしたが、そこに至る過程は本家の方が説得力がありましたね。元妻の死亡が報じられ、自分は犠牲にさせられることが分かって、もうそうするしかないと。
でもわざわざ主人公に全部教えてあげる必要無いですよね。捕まえてからなんとでもできるのに。映画としてはそうしないと面白く無いのでこれくらいなら許容できますが。
ただ、ニュース報道として観ていた人たちは最後の方、さすがに放送されて無かったですよね?
「テロ、ライブ」というタイトルなのにクライマックスを放送出来てないなんて。その点は日本版の方がいいのかな。
文句も書きましたが面白かったと思います。
本当に、怖いもの
ショウタイム・セブンをみて、こっちに来た人です。
阿部版は「TV ショウに対する人の狂気」「エンタメ、刺激への無限の欲」を描いていて、
色々考えてしまう感じでしたが・・・、
韓国オリジナル版は「人の怖さ」みたいなものが、非常に色濃く出てました。
緊張感や心理描写だけでなく、ブラック感、気持ち悪さも出ていて、
個人的には (良くも悪くも) 後味が悪い感じでした。
テロという行為に走らせた人の闇。
その闇を生むのも、また、他人の闇。
闇の連鎖が、結果として新たな悲劇や闇を生む。
本当に、怖いものが何のか、感じさせてくれる作品です。
※ 韓国政府、警察って、こんなにヒドイのかしら・・・。
タイトルなし(ネタバレ)
韓国映画らしく救いようがない
最近の映画は手緩いラストが多いように感じ
オチたな〜!!と満足感のあるものに中々出会えないが
これは満足度かなり高い
殆どのシーンがテレビ局の一画だけなのに
テンポよくスピード感がありアクション映画を見てる様な疾走感ある
強きにコントロールされ報われず、
主人公を含めたほぼ全員が利己主義で
このキャラクター像は韓国社会を表してるんだろうけど、
韓国ドラマのラブコメみたいなんばっかりみてると
高低差にビビる
悪いとこがあるわけじゃないのにイマイチ点が上がらないのは満足感はあるし人に面白かったと勧めは出来る作品だけど個人的にもう一回見たいとはならないから
どこにも救いが無い様なラストの映画ながら、面白く、そして胸を打つパワーがお見事。
キム・ビョンウ脚本・監督による2013年製作(98分/G)韓国映画
原題または英題:The Terror Live、配給:ミッドシップ、劇場公開日:2014年8月30日。
「ショウタイムセブン」が面白かったので、原作映画のこちらも視聴。韓国政治権力者の独善性を描ききった傑作映画という印象。
元TVキャスターのハ・ジョンウとテロリストのやり取りがテンポ良く進んでいく最初の方の緊張感が素晴らしい。ソウル市内の漢江にかかる麻浦大橋の爆破は、「ショウタイムセブン」と異なり、かなりの迫力を感じた。その壊れかけた橋上からハ・ジョンウが未だ愛している元妻(キム・ソジン)が記者としてレポートとしているという設定もなかなかで、胸を打った。
犯人に爆破されたビルが倒れてきてTV局がメチャクチャとの展開は、まるでパニック映画の様相で戸惑いは覚えた。しかし、人命を軽視する大統領と対峙して主人公が次第に犯人の心情に共感を覚えておく流れ、元妻の死、そして最後助けようとした犯人があっさりと警察に射殺されてしまう流れには、制作者たちの政治権力者への激しい怒りや主張、そしてパワーを感じた。
犯人に変わって爆弾スイッチを押し、自ら自身とTV曲を爆破した主人公キャスターに、共感を感じると共に、このような救いが無いような映画を作って、それが大ヒットする韓国社会に敬意と羨ましさを感じた。
「ショウタイムセブン」も優れた映画と思うが、この優れた原作に比べると、悔しいが、かなり負けているなあとは思ってしまった。
監督キム・ビョンウ、脚本キム・ビョンウ、撮影ピョン・ボンソン、美術キム・シヨン、
音楽イ・ジュノ。
出演
ユン・ヨンファハ・ジョンウ、チャ報道局長イ・ギョンヨン、パク・ジョンミン主任チョン・ヘジン、パク・シヌイ・デビッド、ジュ長官キム・ホンパ。
なぜ大統領に謝罪を迫るのか・・・
爆弾テロとニュースキャスターを絡めたリアルタイム・サスペンス映画。スタジオがジャックされる「マネーモンスター」やニュースキャスターが犯罪に巻き込まれる「グッドモーニングショー」など似たような映画は観たような気がするが本作は視聴率第一主義のテレビ局や国民を軽視する政府への反感など社会派ミステリー調、爆破された麻浦橋は 2007 年から 2012 年の間に 100 回以上の投身自殺があったということで知られ、「ソウル自殺橋」とも呼ばれているらしい、どうも犯人の父親と同僚の3人が建設に関わり重労働で過労死したらしく、その謝罪を大統領にさせるためキャスターに協力を迫っているらしいが恨むなら現場監督じゃないかな、現地人ではないので動機が今一分かりづらい。
テロリストを非難する主人公なのに最後の決断には、それほど腐りきった韓国なのかと驚きました。
日本で阿部寛でリメイク「ショウタイムセブン」上映中らしいので観てみたい気がします。
「ショウタイムセブン」の元ネタと言うことで・・・
「ショウタイムセブン」面白かった〜!と感激したところで、皆さんのレビューを読んでいたら、このオリジナルの存在に気付きました。
俄然、興味が湧いていたらNetflixで見つけて、即鑑賞です。
最初の方は、全く一緒じゃん。
まぁ、日本人の役者さんの方が馴染みがあって、わかり易いな〜と思いながら観てたんですが、徐々に食い違いが生じてくる。
【ネタバレ!「ショウタイムセブン」のラストについても触れますので、要注意!】
「ショウタイムセブン」については、錦戸亮さんが犯人だってことは、前情報で知っていたんですが、本作品ではミステリーの要素も入ってました。犯人を名乗る男が実は死んていたってところで、あぁ息子だなと、「ショウタイムセブン」を見ていたから、分かっちゃうんですが、後半の展開の大掛かりなこと!まさにテロ・ライブでした。
橋の爆破で被害者が出たり、テレビ局で警察長官が殺害されたりと、随分危ない話になってきたなとは、思ってたんですが・・・
まさか、高層ビルの倒壊にまで展開するとは、ホンっと驚き!
お国柄で、そうなるんでしょうね。
テロの暴力には屈しないと言うことで、他の部分に目を向けさせて、犯人の動機や大統領の行動がウヤムヤになってしまいました。
で、結局、罪を被せられた?(実際に加担してたようですが)形で、キャスターが爆発ボタンを押すという、何とも後味の悪い結末を迎えた一本でした。(現場キャスターだった奥さんも助からなかったし)
それに比べて「ショウタイムセブン」は、ホンっとエンタメでしたね。まさにショウタイム、暴露目的で死者は出てなかったんじゃないかな。阿部寛さんの告白?が見事な幕引きを魅せてくれました。
こちらは、最後にロンドンでテロの爆破事件が起きたという速報で終わります。これって「ショウタイムセブン」の中で起こった現役総理大臣が絡む重大な事件も、新たな事件で霞んでしまいますよっていう、今の日本の状況を描いてると解釈したんですが、それで良いですよね?
韓国映画らしい作品
如何にも韓国映画!良い人が1人もいない!嫌な奴しか出て来ない🤣
テロリストとの緊張感ある生放送。
自身のスクープの為に始めた中継だが、やがて犯人や上司、そして政府の思惑にがんじがらめになっていく。
容赦ない展開による緊張感は、流石韓国映画!バイオレンス、終盤の大胆さ等、賛否は置いといて韓国らしさだと思う。こういう所は、日本やハリウッドでは難い、韓国特有の良さだ!
それと、テロ対策班の無能ぶりがスゴい😁
…え?日本でリメイクしたって?…
心情の移り変わり
緊張感が最後まで続く。
主人公の心情の移り変わりの演技に引き込まれた。
韓国映画は、大半は苦手である。後味が悪いから。それでも、その中に人間の本質が描かれているので、目が離せない。
どこまでもエグく暗然となるのだが。
これが、日本映画となるとどう決着つけるのか、非常に気になってきた。
報われない…
大統領の謝罪を求めて起こしたテロ。何人もの罪の無い人々を犠牲にした政府への訴え方は許されるものでは決して無いが、政府の欺瞞傲慢さを風刺した作品。冒頭からノンストップで緊張感を帯び、キャスター自身の収賄、内部闘争、TV局と政治家の癒着も絡んで、複雑化していく。生放送中の事件を描くマネー・モンスターを思い出した。しかし、最後妻も死んで絶望的になり、ビル破壊してしまったら、彼らを変えることはできない、救いがない終わりになってしまった。
「テロに屈しない。」じゃあ人命は?
不祥事でテレビキャスターから降板。
ラジオ番組をやりながらも、テレビへの復帰の野望を抱く主人公。
そんな時、ラジオ番組に爆弾テロの予告電話が入る。
ほとんどがスタジオシーンと中継映像で構成された映画。
主人公と犯人のやり取りなど、狭い空間の中でのストーリー展開が見事。
セリフがない時も役者の感情表現に思わず釘付けになる。
緊張感が漂う中、予想外の展開に引き込まれる映画だ。
「綺麗事では解決しない。」
そんな印象を受けた作品。
テロに屈しない事は大事だが、お偉さんのメンツを守るために人命を犠牲にしているようだった。
(本当にクソだなと思った)
ただ、何が最善なのかもわからない。(無力)
テロに屈しなくても悪い事をしたなら謝罪すべきじゃないかな、、、。うーん、、、。
ラジオ番組に犯人から電話が入ってからは、
ハラハラする一触即発な展開で緊迫感が途切れない。
終盤は主人公も追い詰められ、
結末は予想だにしない展開へ。
「一言の謝るのががそんなに難しいことなのか?」
このセリフがずっと頭に残る。
ノンストップで楽しめる低予算作品
オープニングからノンストップで楽しめる。
橋だけならともかく、
誰が使うか分からんイヤホンに爆弾を仕込むとか、
ビルごとふっ飛ばす、ってのは流石に荒唐無稽だと思うが、まあ大目に見よう。
犯人の目的が「謝罪を求める」というのも韓国の国民性なのかな。メンツ重視というか。
あとは、「やっぱり韓国映画」と思うのはラスト。主人公が死んじゃうのは定番。
本作をハリウッドでリメイクするなら、主人公も元妻を生かして、ヨリを戻すようなラストにするだろう。
すごい!こんな傑作が知られてないとか!
すごい!傑作だった。
最初から最後までノンストップで緊張感が途切れなくて
メチャメチャ面白かった。
韓国の映画のクオリティは素晴らしい。
ストーリーも演出も役者もパーフェクト。
こんな凄いのに続編をやろうとか微塵も考えてなくて
きっちり終わらせてなんだかこっちが勿体なく思えちゃうほどの
内容だった。
韓国映画ってハリウッドと違ってお金はさほどかかってないけど
その分他でメチャメチャよく出来上がってるとこがいいよね。
韓国映画の監督でハリウッド映画撮ったら凄いんじゃないかと
思っちゃう。そのうちヘッドハンティングされるのかな?
ストーリーは単純。
建設作業員が工事中に無くなった責任の謝罪を大統領に
求めるだけの話。
しかし大統領というか国家はそれをしようとせず、
のらりくらりと時間を延ばすだけ。
それに苛つくテロリストが次々と仕掛けを爆破していく。
またそれに対して主人公がごく普通の人間で、
欲もあり愛情もあり良心もありで、
国や会社のしたたかなやり取りに潰されていってしまう。
ラストは誰も幸せになれない最悪な結末で
胸糞悪いったらないのだけど、そこは納得いく
終わり方だった。
韓国映画はマジですごい。
主義主張があれば良かったのにね。
ある不祥事を起こしてテレビからラジオへ左遷をされた、元ニュースキャスターの主人公が、放送中にかかってきた不可解なリスナーとの電話から始まるテロ行為に向き合うクライム・サスペンス・ストーリー。
なんか、日本でも似たようなのありましたよね?
中井貴一さんが主演のやつが。
序盤から中盤くらいまでは緊張感があって面白いのですが、後半、そしてクライマックスへ向かう展開が結構大味というかハッキリ言ってしまえば雑というか、
結局、主人公が成長するとか、後半で自暴自棄なのか正義感なのかは分からないけれど、犯人に対してまた警察やテレビ局に対して怒りをカメラの前で行うとか、何かしらのヒントを得て犯人を特定するとか、アナウンサーならではの話術で欺いたりとかなんかそういうのが一切なくて、単に犯人側の言いなりにしかもそれすらもなんかこうイマイチやり切れてない感じのまま最後まで進むんですよ。
犯人側の方も最後の最後で姿見せたりはするんですけど、結局本編で全然出てきても無い奴が最後に犯人でーすみたいな感じでやって来て、しかもなんかそういう所でカメラをめっちゃ切るんですよこの作品。なのでその犯人がどんなバックボーンでどんな過去を経てこのテロ行為を行おうとしたか?まぁもちろんソコには一定の理由があって、それに対しての独白といいますか、説明と言いますかそういうのは一応お飾りみたいな感じで語られはするんですけど、本当にお飾りくらいの感じなんですね。
なので、主人公側にも犯人側にもどちらにもカタルシスが産まれないわけです。
特に本来感情移入するべき側の主人公は結局どうしたいのかをハッキリさせずにグダグダグダグダ同じ事ばっかり言うわけですよカメラの前で。
なので段々イライラしてくるんです主人公に。
で、ラストも救いの無い感じで終わるので主人公が全く主人公な行動をしていないのです。
先述したように、主人公が物語の途中で成長する、振り切るような展開が無くそのまま単に“テロリスト、テロリズムには屈しません”みたいなお話としての訴求も出来てない。
で、テレビ局側の人間は結構腐ってるみたいなお決まりのパターン。
あれ?そんなに良くないのか?この作品、てことは?
韓国映画らしい緊張感や殺伐とした描写やテロが行われていてその模様を犯人側とライブでやり取りして行くという発想はとても良いにも関わらずその間の構築が出来ていなかった惜しい作品ですが、国内の緩い感じ、規制でガチガチな作品に対してのアンチテーゼという意味では、オススメです。
すべては茶番
かの国もこの国も薄汚さは等しく同じ、どこを切っても金太郎飴のように茶番、茶番、嘘とでっち上げと居直りだけだ。男が女の手柄をわがものとし、上司が部下の手柄をわがものとし、施政者、政府、警察はたかみの見物。
ハジョンウというキャスター役の役者さんが人間味溢れる体温を表現していて好感、というか、拍手。この人物も大概クソなの、でも、一個人としての心、組織の中の自分、組織の中の個人としての皮算用、元妻、周りの登場人物もだいたいクソなので全てが茶番。、労働者が信頼していたキャスターとは。彼も収賄も、さっさと犯人に振込されるあたりも、だいたい組織がらみの事情のようでそんなにクソではないのかもしれない。妻の手柄も局長に横取りされそうになっての偽装受賞かもしれないし、そもそも男尊女卑であるから。晴天の空の下、一等地の高層ビルかひとつ、ふたつと倒れゆく様はもちろん911を彷彿とさせるし、いつの時代にも労働者、労務者という言葉もあったし今でも現代奴隷法なんて言葉もあるがそんな人たちは名もなく何もなく人柱として使い捨て搾取されていく。誰がなにをもって誰に対して、テロ、テロリストなどと言いう放つことができるのか。
設定も秀逸映像も迫力があり、抑制の効いたシナリオ、そして課題は山積みであることを改めて思い知られる。
テロには屈しない!などと白々しい言葉が飛び交う。
TVニュースキャスターだったユン・ヨンファ(ハ・ジョンウ)は、ある不祥事のせいでラジオ番組へと左遷させられていた。朝の情報番組では富裕層優遇の税制について聴取者からの電話を受け付けていたのだが、混線して爆破テロ予告が入ってくる。すぐさま近くにある麻甫大橋が爆破され、これは一大スクープになると確信したユンはニュースキャスター復帰を取引材料として局長に掛け合うのだ。
まずは21億ウォンという高額の金を要求した犯人。テレビ局は勝負に出てすぐさま入金を終わらせる。そして、パク・ノギュと名乗り、2年前に麻甫大橋を修繕工事する際に亡くなってしまった建設作業員に対して、大統領による直接の謝罪を要求し始めたのだ。さらに爆弾はあちこちに仕掛けられている模様で、ユンのイヤフォンにも仕掛けられてると思われた。
緊迫するテレビ中継のやり取り、大橋は2か所で爆破されているため、人質として16名もの人たちが取り残されている。「大統領が謝罪すれば救助してもよい」という犯人の指示。モニタールームでは「テロには屈しない」というテロップもあるが、それでは人質の命が危ない。犯人としても極力死者を出さないよう配慮しているようだった。
大統領の代わりに警察庁長官がスタジオにやってきた。彼は強気の発言ばかりで、犯人を怒らせる言葉ばかり。「殺す!」と言い放ち、長官のイヤフォンがドカン!
犯人逮捕を最優先する警察と局長謝罪を最優先するユンとは対立してしまった。さらに他局からはユンが降板させられた理由は賄賂を受け取ったからだと、ユンを攻撃し始めた。その事実を知ってる者は局長とその上の人間だけだ。窮地に陥ったユンだったが、やがて犯人確保間近という情報が入ってくる。しかし、そのビルが爆破され911並みの大惨事が・・・しかもTV局の隣のビルなので、TV局も崩れるピンチとなった。
真犯人はパクの息子の方であり、しかも放送局のどこかに潜んでいたようだ。最後はユンともみ合いになりビルの31階から落下しそうになった犯人を助けようとするが、犯人は射殺されるという酷さ。そして、ユンは自ら自爆装置に手をかけるのだった・・・
邦画でテロを描いた作品がなんとみすぼらしく映ることだろう。しかも政府(大統領)の言動に対する批判を込めた映画は日本では作れないのか。
予測不能、怒涛の展開の連続!
レンタルDVDで鑑賞。
「韓国映画のレベル、マジで高ぇ~」と心の底から感じ、クォリティーのすごさに震えました。ワンシチュエーション・タイムリミット・サスペンスの新たなる傑作、爆誕!
テロ事件の発生から結末までをリアルタイムで描き、最初から最後まで緊迫度MAXで興奮の坩堝!―予測不能なストーリーにハラハラ・ドキドキし、ず~っと手に汗握ってました。
姿の見えない犯人…緊迫の交渉…主人公の葛藤…明かされる意外過ぎる真実…そして驚愕のどんでん返しへ…。1秒足りとも観逃せない怒涛の展開に、瞬きは絶対に許されない!
犯人の決死の行動によって炙り出された、韓国社会が抱える病巣と、どこの国にも共通するような一般市民の怒り…
犯人の動機には、同情の余地が多分にありました。大局の正義の犠牲になるのは、いつだって無辜の民…。傲慢でアホな警察長官は死んで良かった~。痛快痛快(笑)。
生放送!政府の傲慢というテロ
ニュースキャスターからラジオ番組に左遷させられたヨンファは、橋に爆弾を仕掛けたと言うリスナーを軽くあしらい、口論に。すると、本当に橋が爆発し…!
生放送中のラジオ番組で電話越しに犯人と交渉。
ほぼラジオ局のスタジオのワン・シチュエーション。
事件勃発から結末まで、リアルタイムで進行。
2つのハラハラドキドキ緊迫サスペンスの設定が見事に融合。
これまた韓国サスペンスの力量に唸らされてしまう。
自分の言い過ぎでとんでもない事件を招いてしまった…。
ヨンファには少なからず崩落寸前の橋に取り残された人々を心配する気持ちはあるが、本心は…
犯人との生放送中の交渉は最高のチャンス。
自分がまた花形キャスターに返り咲く為の。
隠そうとしてもその野心は見え見え。
当初は見下していたのに、コロッと変えた態度があざとい。
犯人の無理な要求にも冷静に対処していたが、耳にイヤホン型の小型爆弾が付けられ、逆に追い詰められていく…。
犯人は“パク・ノギュ”と名乗った。
その昔、橋の建設に長年携わっていたが、事故で仲間が死亡、政府はゴミのように見捨てた。
動機には少なからず同情の余地はある。
要求は、政府の…いや、大統領の直々の謝罪。
無理な要求をし、国民を恐怖に陥れ、犯人はやはり頭の狂った凶悪犯…?
犯人の凶行は確かにテロだ。
でも、自分がレビュー中で犯人を“テロリスト”と呼ばないのは、犯人以上に卑屈で傲慢な奴らが居るからだ。
言うまでもなく、政府。その対応。
大統領の代理としてやって来た警察庁長官。コイツの上から目線の偉そうで挑発的な態度にはマジでムカついた。不謹慎ながら、犯人の「こいつを殺す」の言葉に超共感。
無論、大統領が謝罪に現れる筈がない。政府の意図は…
もし大統領が謝罪したら、国民の関心が犯人に移ってしまう。
犯人をこのままイラつかせ、暴挙を行わせ、橋に取り残された人々が犠牲になれば…。
犯人は国民の敵に。政府は思う存分正義という大義を行える。
皮肉にも犯人の復讐の動機と同じ。国民が政府に見捨てられたまさにその瞬間だ。
ヨンファの過去の疑惑が持ち上げられ、さらに立場が窮地に。
大統領の謝罪を要求し続ける犯人。ひょっとして、近くに…? その正体は…?
政府や視聴率や出世主義の局の思惑。
犯人探しや緊迫の展開の結末は…!
文字通り政府にメディア上で殺されたと言っても過言ではない。
政府の傲慢こそ、我々の身に降りかかるテロリズムだ。
全22件中、1~20件目を表示