劇場公開日 2015年5月16日

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「“ヤクザ対ゾンビ”もしくは“哀川のアニキ対ゾンビ”!」Zアイランド 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0“ヤクザ対ゾンビ”もしくは“哀川のアニキ対ゾンビ”!

2019年11月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

笑える

楽しい

単純

2014年に芸能生活30年を迎えた哀川翔の記念作との売りで製作されたが、個人的には和製ゾンビ映画として注目。
でも、監督は品川ヒロシ。何だ、アイツかよ…と思うのは、ちょっとだけ待って。
いつぞやの『アメトーーク!』でやっていたが、品川は“ゾンビ芸人”。
ゾンビの描写、メイクやグロはなかなか。芸人監督のチープで低クオリティーの作品にしては頑張っていたと思う。
舞台は島。その島で謎の病気が蔓延し、島民が次々とゾンビに。噛まれた者もゾンビに。
主人公絡みの登場人物たちも結構容赦なく死ぬ。
難を逃れた島民やある理由から島を訪れた元ヤクザ、現ヤクザたちが、チャカや日本刀その他諸々を武器に決死のサバイバル。
“ゾンビ芸人”なだけあって、ゾンビ映画のあるあるは踏まえている。

単にゾンビ映画じゃなく、哀川のアニキの主演映画であり、品川の好みと思われるジャンルをてんこ盛り。
開幕は完全にVシネマ。哀川組長に敵対組が急襲。小沢仁志も出演。
島にて、家出した弟分のJK娘がチンピラ相手に喧嘩。趣味で作ったとしか思えないJKアクション。山本舞香が『SUNNY』よりも前にカッコいいアクションを披露して、これはこれでいい。(と言うか、ポイントプラス!)
弟分と元妻と娘の家族の和解は感動要素。
哀川組長と敵対組の決着、バイクに乗り、任侠映画さながら日本刀でゾンビをぶった切るなど、哀川のアニキの見せ場もたっぷり。
これらはまあいいとして…

今作もお笑い芸人が多数出演。ゾンビ第一号でワッショ~イ!の宮川大輔、“島”なので千鳥・大悟、ゾンビより質悪い野性爆弾くっきー…癖が強いんじゃ!
笑いの要素は人によっては(品川の笑いが好きな方には)ウケるかもしれないが、そうでもない人には下らなくダダスベリでクドイ。ベラベラお喋りなやり取り、電話の件とか。
小ネタは品川のドヤ顔がチラつく。
それ以上にドヤ顔チラつくのが、豪華キャスト。大御所シンガーに至っては“愛情出演”。
だけどこれは、品川の人脈か、哀川のアニキの人脈か。

まあ、それなりには楽しめたかな。品川監督作としても『サンブンノイチ』の次くらい。
それに、唯一日本だから出来る、“ヤクザ対ゾンビ”のこれまた異色ミックス!…いや、それとも、“哀川のアニキ対ゾンビ”!…かな。

近大