「なぜか肝心なところを描かない・・・省略の美学」ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜか肝心なところを描かない・・・省略の美学
前作の救出劇もそうだったけど、大丈夫かな・・・ハラハラ・・・と感じるまで持続せず「ただいま~」って感じで緊張感がぶつ切り。まぁ、繋ぎの3作目だったからそれもいいだろう。と、今作でもそれをやってしまった。「あら、目覚めたのね。戦争は終わったわよ」って・・・そんなバナナ!
多分、この戦争終結シーンを丸々すっ飛ばすのも斬新だとは思うけど、誰が大統領になっても同じという裏のテーマが隠されていたのだろう。反乱軍コイン首相(ジュリアン・ムーア)の演説も徐々に英雄崇拝を利用する独裁者のようなリーダーとなっていったし、戦争後の後処理においても「民主的」な選挙を強調する余りに自分の地位を固める姿が鼻についていく。それをボッグス(マハーシャラ・アリ)は気づいて、ホロをカットニスに託すのだった。
キャピトルは地雷やポッドだらけで、中心の官邸までがとにかく長い。激しい爆発や得体の知れない仕掛けが隠されているため、1日で3ブロックしか進めないという厳しい進軍。空爆すりゃいいだろうにとは思うが、一般人を殺さない方針のため慎重に行動する反乱軍だった。しかし、その信念をぶち壊すかのような行為を取ったのがコイン。落下傘爆弾は狂気としか思えない。
殺し合いは絶対にしない!というカットニス。それまでの経緯からして甘い設定ではあるが、
主張するカットニスはカッコよかった。それに対して、恋人であるはずのピーターの洗脳が解けきってないところも痛々しい・・・ミュットって何だよ?と思っていたら、地下でのいきなりの怪物登場。なんだか仕掛けに関しては詰め込み過ぎだと感じました。
スノーの処刑、ハンガーゲームの復活、など多数決で決めようとするが、独裁者そのままの性格だったコイン。「スノーを処刑するなら賛成です」と言うカットニスには驚かされるが、土壇場で弓矢を放った標的は・・・
意外な場面は多かったけど、逆に新しさも感じた。ただ、無駄な心理描写も多いし、だれてくること間違いなし。フランス革命をモチーフにしてるのだろうし、3本指で手を挙げるシーンも印象的だった。これで終わったか・・・と、思っていたら、スノーの前日譚の制作が進んでいるとか。ジェニファー以上の魅力ある登場人物はいるんだろうか・・・