「人気の炎に火が点くか…!?」ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
人気の炎に火が点くか…!?
大ヒットシリーズ最終章。2部作の前編。
日本では不人気のこのシリーズ、個人的には隠れファン。
前作がいい所で終わり、続きを待っていた。
敵だと思っていたプルタークは実は反乱軍の味方。
破壊された故郷、第12地区。
ピータの消息。
物語は直結で始まる。
反乱軍に救出されたカットニス。打倒独裁者スノーの準備が進められる中、敵側に付いたピータの姿を目の当たりにする…。
人々を奮い立たせる為、革命のシンボル“マネシカケス”に祭り上げられるカットニス。
人々を苦しめ、野戦病院すら攻撃する独裁国家パネムは非情だが、うら若い女性を革命のシンボルにし、プロパガンダ撮影を強要する辺り、やり方は強引。状況が違ってたら反乱軍も危険思想国家かもしれない。
自身の役割に戸惑い、ピータの身を案じ…。
殺し合いゲームだった前2作と違い、カットニスの複雑な心理描写に焦点を当てたドラマがメイン。
それはそれで見応えはある。
が、どうしても最終章の前編。
物語に大きな動きは無く、後編への壮大な前振りの印象は否めない。
野戦病院攻撃、ピータ救出作戦など盛り込まれているものの、前2作と比べるとアクションらしいアクションの見せ場はグッと減った。
ピータ救出作戦はカットニス抜きで決行されるし、勿論“ハンガー・ゲーム”も無い。
アクションを期待すると肩透かし。
間違っても本作から初見しないように!
先にも述べた通りカットニスの心理描写がメイン故、ジェニファー・ローレンスの実力の見せ所。凛々しさ、意志の強さ、揺れ動く淡い思い…ジェニファーを堪能するには申し分無い。
新参加にジュリアン・ムーア。気付けば豪華な実力派が揃い、故フィリップ・シーモア・ホフマンが映る度に感慨深い思いにさせられる。
今回もいい所で幕閉じ。
これだけ焦らして焦らして焦らしたのだから、最後の最後はアクションも物語も文句無いほど満足させて欲しいものだ。
燃え上がる革命の炎。
日本でも“人気”の炎に火が点けばいいが…。