「イエスはヒトラーを愛せるのか。」フューリー 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
イエスはヒトラーを愛せるのか。
全然興味なかったし、ブラピの映画を1秒も楽しいと思ったことがないが、「寄生獣」の空き時間に鑑賞。そしておもしろかった。
まず冒頭から、見ている者を戦時下にブチ込む。
もうそこで一気に映画に引き込まれるし、無駄な説明や演出を省いたスマートな作りが良かったですねー。
そして何と言っても戦闘シーン。
いろんな戦争映画があるし、完成度の高い戦闘場面も色々あったが、この映画は戦闘シーンが戦車の"目線"で描かれている。それが凄く斬新で、従来とは違う興奮を覚えた。それもタダの打ち合いではなくて、無線を駆使した頭脳戦。戦車部隊の戦術なんて知らなかったから、勉強にもなった。ただし、こちらと敵との位置関係が分かりにくい場面が多い。ラストの十字路バトルなんて「300人ぐらい来ますよ!ワクワク」からいったい何時間経ってんだよってくらい戦車ん中でダラダラしてるし。グロ描写に関しては昨今の戦争映画ではあたりまえなので、特に違和感なく見ることが出来た。
戦争の残酷さをまざまざと見せつけられるし、そこは評価をすべきポイントなんだろうけど、メシ作ってくれたドイツ女子が次の瞬間に爆撃されるのは少し都合が良すぎるかな。笑
そこだけ極端すぎて違和感を感じたし、首をひねらざるを得ない。
あとドイツ女子関連だと、彼女に対するトラビスの悪態。ドンもノーマンもかなり引いてたが、僕も漏れなく引いたので、勘弁してほしかった。あいつ嫌だ。
総じて、まあまあ楽しいです。戦争映画史に名を残すかと聞かれると疑問だが、戦争という蛮行の惨さを再々再々確認させてもらった。
エグゼクティブプロデューサーがブラピだけあってとてもカッコ良く描かれているので、ワーキャーな女子は見ると良いと思います。