「悲しいけど、これって…」フューリー 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
悲しいけど、これって…
個人的な考えですが、当時の戦車で、最も走攻守のバランスが良かったのは、ソ連のT34だと思います。慌ててドイツがティーガーを開発したのは、T34のせいらしいです。そのティーガーですが、もう目の前に敵がいるので、走は不要。攻と守に特化した機体。ガンダムならビグザムですね。で、大西洋を越えてやって来るアメリカのM4シャーマンは、輸送の都合上、どうしても重くできない。ただ圧倒的物量で大量生産されました。ガンダムならジムですね。ビグザムとジムが戦えば、結果は見えますよね。(細かいこと言うと、シャーマンの車体に、イギリス製の85ミリ砲を無理矢理載せたファイヤーフライが、虎退治をしていたそうですが、それはまた、別のお話と云うことで。)
味方が吹っ飛ばされているうちに、間合いを詰める。至近弾で討つ。理屈では分かりますけど、それを映像化されると、こうなるんですね。ガンダムとは、ずいぶん違うなぁ。次にティーガーと出くわしたら、最初に吹っ飛ばされるのは、誰かな?。
実車のティーガー使ったそうです。それだけで観る価値ありなのですが、最近、違うこと思うようになりました。
…この戦争はもう終わる。壊れた戦車なんかほっといて、帰ろうぜ。
…ここが俺の家だ。
心身共に、余すところ無く戦争馴れしたダディ。生き残った代償に、何かを葬り去った自分がいる。戦争は終わる。帰ることができる。何処に帰る?。常軌を逸した俺達の、何処に帰る場所がある?。
海の向こうで、アカの手先のファシ野郎に奪われた大地を奪還すべく、大号令が発せられるようです。ウォーダディ、出番ですよ。此度の戦で何人のダディが現れるか、そして彼らの戻るべき処は、何処なのか、戦争は終わるとしても、戦後に終わりはあるのか、改めてご考慮願いたく存じます。皆様の想い、宇宙を染めてゆくように…。
悲しいけど、これって……。