「リアル戦車映画として鑑賞 前半は何気ないヨーロッパ戦線の一コマ。 ...」フューリー ぷりんとごっこさんの映画レビュー(感想・評価)
リアル戦車映画として鑑賞 前半は何気ないヨーロッパ戦線の一コマ。 ...
リアル戦車映画として鑑賞
前半は何気ないヨーロッパ戦線の一コマ。
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(演出上)主人公ノーマンの席を用意するため、大したことない戦闘でFURY号のクルーは命を落として、ノーマンはその補充兵として適当に配置されます。
訓練を終えたばかりで実戦経験のないノーマンを与えられて不機嫌な戦車長ウォーダディー。
クルーと共にすれ違う避難民に下品なヤジを飛ばしたり、捕虜になったドイツ兵を拳銃でとどめをさすよう、ノーマンに強要します。
中盤、ある町を攻略してひと時の休息シーンとなり、ノーマンは住民の女性の好意を寄せるも、ドイツ軍の榴弾砲で建物ごと女性は潰されます。
この辺りまでは、戦争の悲惨さや理不尽さを伝えているのかと思いましたが・・・
後半、M4戦車の大立ち回りのシーンに進みます。
4両編成だった小隊は、タイガー戦車との戦闘でFURY号のみとなっており、前線指揮官からSS歩兵部隊が接近しているので、ベルリンに向かう十字路を死守するよう命令されます。
目的地に着いたとたん、地雷で履帯を損傷するFURY号。
「そこは歩兵随伴しないのか?」と疑問がわきますが、とりあえずはシーンを進めます。
死守を命じられた十字路は見通しのいいポイント。
隣接して建物があるも、ドイツ軍の救護所に使われたもので、現在は死体だけが残る廃墟です。
履帯が切れたM4戦車を直そうとしますが、修理が終わるまえにSS部隊と接敵する事に。
ここからクライマックスのM4無双で主砲、M2機銃の乱射でドイツ兵をバタバタとなぎ倒しますが・・・かなり興ざめです。
擱座した戦車を演出していたので、油断したドイツ兵相手に、最初の砲撃や戦車周囲のドイツ兵を排除することは出来るでしょう。
でも、その後は日が暮れてもドイツ兵はモーゼルだけで戦車に攻撃をしかけ、M2機銃とM1919機銃の乱射でバタバタ倒れるドイツ兵。
逆にドイツ兵が放つパンツァーファウストは、全部外れます。
そんな事はないでしょう。
動けない戦車があれば、先に斥候を出して脅威でないかを確認します。
生きていると分かれば、部隊を近づけず迂回して進めるでしょうし、排除するな日没を待って後方から接近。側面と背面にパンツァーファウストを食らわせるか、ハッチから手りゅう弾を投げ込んでジ・エンドです。
リアリズムに徹するなら、そうした結末でよかったんじゃないかと思います。
単独の戦車など歩兵の敵になりえないと。