「天罰ルーム」テスター・ルーム 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
天罰ルーム
超常現象は人の負の感情エネルギーが引き起こす…という持論の大学教授。
講義を受けた学生の一人は、ある実験に記録係として参加する。
それは、精神疾患の少女を実験台として隔離し、実証を試みる…というもの。
1974年にイギリスで実際にあったとされる実証実験とその顛末を“基にした”スリラー。
期待値は下げて見たのでまあ退屈はしなかったが、“基にした”というのがミソ。
つまり、事実に沿った部分もあり、脚色した部分もあり、それが何だか本作をうやむやにしている気もした。
スリラーでもあり、ホラーでもある。
一人でに開く車のドアとか、謎の物音とか、“何か”の存在とか。
事実を基にした信憑性が加味され、じわじわ抑えた恐怖演出はまずまず。
途中までは良かった。
が、途中からあからさまなオカルト描写やモキュメンタリー風映像がそこら辺のB級ホラーと何ら変わりナシ。
これはオカルトか、科学か。
そこにカルト宗教集団の話とか教授と3人の助手と被験者の少女の歪んだドラマが加わり、一体何をメインにしたかったのか、支離滅裂。
ラストの実録映像や残された写真など、この実証実験は本当にあったのだろうが、中身は疑わしい。
おそらく、題材はノンフィクションでも、ほとんどフィクションだろう。
だって、ねぇ…。まあ、見て貰えれば分かる筈。
実証実験自体は興味深い。
でも、やってる事は犯罪レベル。
精神疾患者を監禁し、時には虐待紛いの仕打ちをし…。
実験者たち…特に教授こそキチ○イ者。
非道な行いを犯した者たちには必ず天罰が下る。
作品は嘘っぱちのようでも、それだけは真実。
意外と道徳的…?
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