劇場公開日 2025年3月22日

「なにも見えない日没時」湖の見知らぬ男 なかじwithみゆさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0なにも見えない日没時

2025年5月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

恐るべし監督アラン・ギロディー。
このラストに、思い出してもゾワゾワする。
(『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』とか、なんなんだろう?と思える位、恐怖描写の演出が違う。
怖がらせるためにありきたりなお化け屋敷を撮るか、
人のなかにある殺意と恐怖と不安をみつめるか。)

美しい湖と森は、観客までものどかで気持ちいい自然が広がるが、ゲイ達には違う意味でも気持ちいいハッテン場と化している。
観客は続くゲイセックス描写やフルチンに飽き飽きするが、登場人物たちが大自然の中での自己解放と飽くなき快楽追求をするためには必要なメタファーだったのだろう。
そんな頃、いよいよ堪忍袋の緒が切れる殺人鬼。
潜む日没、聞こえなくなる声。
暗闇でなにも見えない。
目を凝らしても、見えない。

(本作は話題になりながらも上映される機会がほぼ無く、
横浜日仏学院での特別上映時に観たかったが都合がつけず。
海外版DVDの購入をしなければ観られないかと落胆していたが、やっと観られました。
映画館・横浜シネマリン様、アラン・ギロディー監督特集3作上映をありがとうございました。)

なかじwithみゆ