劇場公開日 2014年6月4日

「10点満点中3点の少年の物語。」プールサイド・デイズ さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)

5.010点満点中3点の少年の物語。

2015年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

”10点満点中3点”
母親の彼氏に、そう評される14歳のダンカンが主人公。

そんなクソ彼氏、彼氏のビ●チ娘、鈍感な母親、近所の意地悪な女子達と過ごす、八方塞がりな14歳の鬱々とした日常が、ウォーターパークのユニークな大人達との出会いで輝いていく物語です。
派手なエピソードはありませんし、泣かせる台詞もありませんが、多感な時期ならではの、自尊心と劣等感の狭間から生まれる自虐的な言葉の数々に、思わず頷いてしまいます。
でも誰にでも、自分の人生を変えてくれる魔法みたいな出会いがある。
そんな一夏のできごとです。

サム・ロックウェル目当てで観ました。
サムはウォーターパークの破天荒なマネージャー役です。
でも対等に、説教臭くなく、ただ"お前が好きだ"感で接してくる大人達に囲まれて、ダンカンが自信を取り戻していく様子が微笑ましい。清々しい。
子供を傷付けるのはいつも身近な大人で、そして救うのも大人でなくちゃならない。
と、ちょっと身が引き締まる思いがしたりして。

原題The Way Way Backの「Way Back」
は"ずっと後"という意味。車ではいつも後部座席(2列ある更に後)に乗ってるシーンとか、ダンカンの世間からの尻込み感のメタファーだと思う。
ラスト、隣に母親が座って肩を抱くシーンが感動的(ネタバレすみません)。
ママはずっと自分の位置に、ダンカンを引き上げようとしてたんです。
そう、降りて行ってあげて!とずっと思ってた。
あと、映画「転校生」的なシーンも!

丁寧につくられた、良質な青春映画です。
14歳の尻込みし過ぎて違った意味で壁ドンな子が観るもよし、でもやっぱり大人が観るべき作品ですね。
観たあと、私の周りの子供達に「大好き」と言いたくなって困りました。
でも私に好きと言われて、彼等の女性観に何かしらの影響が出たら困るので、頭ぐりぐりで我慢です。
監督・脚本のナット・ファンクとジム・ナッシュはコメディアンで、「ファミリーツリー」も書いてるんですね。
ダンカンの初恋の相手役:アナソフィア・ロブってどこかで観たことあると思ったら、「チャーリーとチョコレート工場」に出てた、ガム噛みまくってる女の子でした。綺麗になったなぁ。これから注目していきます!
本作は新宿カリテさんのみ?で限定劇場公開されただけのようです。「(500)日のサマー」「リトル・ミス・サンシャイン」のフォックス・サーチライト製作なのに?外れないでしょう?
うーん。勿体ない。

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さぽ太