「あいのり in 台湾 ~自転車ver.~」南風 ao-kさんの映画レビュー(感想・評価)
あいのり in 台湾 ~自転車ver.~
サイクリングフェスタの取材で台湾に来た日本人記者・藍子と現地でガイドを引き受けることになった台湾人・トントンによる女性2人の自転車旅。凸凹コンビっぷりもさることながら、お互い片言の言葉しか通じないのに微妙に通じ合っている“海外旅行あるある”は何ともユーモラス。オバサン、ブスなど悪い言葉ほどすぐに覚えるあたりなんか、どこの国も同じなのね、と微笑ましくなってしまう。
途中で出会うユウとの恋愛事情も絡ませて「あいのり」のようなノリで物語が進むが、ガイドブックさながらの台湾の風景と地元料理を映し出し、一緒にサイクリングをしているような爽やかな気分にしてくれる。
ただ、ロードムービーとしては消化不良。仕事も恋愛も崖っぷちの藍子、モデルになることを夢見て走るトントン。この手の映画はその旅を通じて主人公たちの心の再生や成長を描くのが王道なのだが、そのくだりがいささかあっさり。ラストの台詞が印象的なだけに夢や目標に向かって歩み出す強さを得た旅だったという実感をもっと伝えてほしかった。
とはいえ、台湾に行ってみたい人、サイクリングに行きたい人は見ておいて損はない一本。93分間台湾旅行気分を味わいましょう。
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