「精神vs物理」オキュラス 怨霊鏡 なつさんの映画レビュー(感想・評価)
精神vs物理
鏡になにか宿るのはありそうなホラーだけど、この作品はほぼ会話で過去になにがあったかを交差しつつ進んでいく
なかなか変わった作りで好ましい。
弟のティムは11年間も父親殺害との事で精神病院に囲まれていた。
姉のケイリーは施設を出た後、家を買い戻し鏡までオークション会場で探しだし、鏡にまつわる全ての事件と検証のための機材をすべて用意して弟と過去の決着をつけようとする。
新しい家に引越し、毎日楽しく暮らす家族にその鏡が影を落とす。
父親の奇妙な態度、母親は浮気を疑い荒んでいく。
ケイリーは鏡のせいだと告げるが、精神をすっかりコントロールさせられたティムは全く信じない。
30分タイマーで動く碇や食事のタイミングのアラームなどティムは全てを否定していきケイリーが間違っていると言う。
確かにティムが父親を撃ったと強く信じ込み、ケイリーを論破し、待てども鏡に何も起こらない状態でだんだんとケイリーが異常者に見えてくる。
これはうまいな〜、共に戦おう!ではなく、どちらがおかしいかを言い合う事でさらに話が混戦してくる。
鏡の悪魔は自分が異常なのかも…とケイリーが泣き出すまで待っていたのかもしれない。
ドッグが良かったのよ!
ドッグが無事で良かったよ!←わたし。
そこから一気に過去の記憶と現在が交わり始める。
過去も現在も同時進行のように進んでいく為、肝心な悪魔がなかなか出てこない。
父親がおかしくなり、母親も同時に狂っていきそのさまに子供達は何もできない。
最終的に子供達は追われる様になり、現実の彼らは幻覚に追われる様になる。
大人の姿で幻覚を見て子供の姿が逃げ回る。
子供が親から逃げ、大人の彼らがそれを見る。
そんな風に最後の最後の真実まで記憶はずっと走り続ける。
母親はケイリーの首を絞める手を止め、父親はティムが握った銃の引き金を引き子供を守る。
その父親の言葉で引き込まれた人々と悪魔の事実を告げられる。
ティムは逮捕されてしまう。
鏡のせいだ!と叫びながら。
助ける事もできない子供のケイリー。
ケイリーは婚約者を殺したか苛まれ、幻覚に疲れた状態で鏡に映る美しい母親を発見する。
その優しい手に包まれ、ティムの降ろした碇に貫かれ結果、鏡を守ることに。
やっとティムは思い出す。大人になったら必ず復讐しようと姉と誓いあった事を。
ティムは手錠に繋がれ連行される。
鏡のせいだ!と叫びながら。
家の窓には良心とケイリー。
助ける事のできない子供のケイリーが映る。
壊せないってのが物理ではなく、鏡の自衛能力で相手を攻撃できない様にするのが面白かった。
自信満々に睨みつけるように鏡を見るケイリーとそれを睨み返すような鏡の雰囲気がとても良かった。
ケイリーごと割れた部分の少しでも欠けてたらまだ救われたのだけどな〜
ポニーテールっていいね!