「苦しくてやるせなくて暖かい物語」ショート・ターム 3i9uさんの映画レビュー(感想・評価)
苦しくてやるせなくて暖かい物語
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アメリカの、いわば児童養護施設の話です。かなり重い境遇の子供たちが預けられていてとても胸が苦しくなりました。
本当。かなり、重い。
難しい問題で。
解決の道はあるのか。少しでもその問題を軽減するには何をすればいいのか。
もし自分だったらどうしたらいい?
何をすると思う?
主人公の職員の女性も問題を抱えています。彼女の境遇もかなり重いものです。
彼女だからこそ、その子供たちのことでわかること、できること、それが多々あると感じました。
かといって、そういう経験がないと子供たちを助けられない?いや、そうではないと思いました。作中でネイトという分からず屋が出てきます(笑)彼の成長も涙もの。
3人の子供たちが主にクローズアップされて描かれています。
本当に苦しくて、やるせない。
様々な問題に対してどうしたらいいかわからない。
ですが、彼らにとって、ただひたすらにそれが日常で、乗り越えていかないといけない日々なのです。
可哀想?そんな言葉はナンセンス。
勝手に部外者が言っていればいい。
これを見たらわかります。
一生懸命に生きようとし、諦めたくても断ち切れないその想いにもがき生きる姿が、いかに美しいか。
支えあい、寄り添って。
心を開き。
その距離感にぶつかり合いながら。
一進一退して自分と向き合っていく。
人は他者の支えがあってようやく自分が形成されてるのだと思いました。
ただ淡々と。淡々と描いてます。
役者の演技にも好感が持てました。
暖かい物語です。
見てお金の無駄だとは絶対にならない作品でした。
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