劇場公開日 2014年11月15日

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「優しさで溢れ感情が込み上げる」ショート・ターム Pegasusさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0優しさで溢れ感情が込み上げる

2021年4月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

幸せ

Amazonプライムで配信終了間近のリストからなんとなく良さげな雰囲気で気になったので鑑賞。

うわっ!出ました掘り出し物!これは文句の言いようがない傑作だな。いや傑作とはちょっと違う。名作、ともなんか違う。
分かる人は分かると思うけど、「傑作」とも「名作」とも違う、いい映画ってありません?特に、ミニシアター系の映画とか、画面設計が綺麗なアート作品に多い。
「傑作」とかありきたりな表現は極力使いたくないんだけど頭がかたいから許して下さい。
とりあえずエモーショナルな素晴らしい作品です。(素晴らしいって表現もあんま好きじゃないんだよな…)

素晴らしい作品に出会うと当然「これ監督誰だ?」と思う訳ですよ。
調べてみたら『黒い司法』のデスティン・ダニエル・クレットン監督だと発見。『黒い司法』も心にズシンとのしかかるテーマを浮き彫りにしつつ感動的な演出が光る作品だった。
個人的にはスパイク・リー作品によくある黒人のノリが、差別とかでは無く単純に自分の感性と合わないのであまり好きでは無い。
でも『黒い司法』では黒人のノリを嫌うどころか、感動してしまった。
これは今作でも共通している、というか今作の方が色濃く出ていることなんだけど、クレットン監督は人間の撮り方が上手い。
瞳の奥にある優しさを上手く捉えていて、当時人物みんなが愛おしく感じてしまうし、心を強く揺さぶられる。
ドキュメンタリー調な作風も相まって、リアルタイムな社会派テーマをリアリティ溢れる映像で描ききる。

聞けばマーベル新作、『シャン・チー』の監督を務めるらしい。
同じくドキュメンタリー調な作風で魂を揺さぶる才能、クロエ・ジャオもマーベル新作『エターナルズ』を監督するし。
新マーベルシリーズは一体どうなるのだろうか?ハリウッド映画という立場に負けず、アート作品としてのヒーロー映画という新境地を切り開いて欲しい。

…と話が脱線しましたが文句なしの大傑作なので是非皆さん、観て下さい、というか観て!
マストで観るべき。

Pegasus