「良い映画」ハーモニー f4r4w4yさんの映画レビュー(感想・評価)
良い映画
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一人の女の子が自殺する話
終始丁寧にその世界観と人物の所作を描かれていた。小説での表現を上手く映画という媒体に落とし込まれていた。そして、物語は原作とは少し異なった結末を迎える。これは映画の作り手の考える、ヒトの意識を示したものではないだろうか。映画におけるハーモニーは、トァンの引き金を引く理由が違うだけではない。映画の製作者の考えそのものをどう思うかは個人によるが、原作に忠実な流れも実はその結末へ至るべく演出されている。
正直、説明不足という批判は的外れにも程があるものだ。それほど丹念に作品の細部まで描かれている。最後で台無しという批判も同じだ。全編通して一貫性を持っている。
屍者の帝国が序盤から異なる物語の流れへと足を踏み入れながら、半端にも原作の言葉を使い、綻びを無視して原作と同じ結末で終わらせたのとは対照的だ。
伊藤計劃の小説をもととしながら映画としての独自性を持った良い作品だ。
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