「一回目⇨原作⇨二回目」ハーモニー ひろさんの映画レビュー(感想・評価)
一回目⇨原作⇨二回目
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最近精神的に疲れてるなーと思ったので気分転換に映画でも見るかーと思い、上映中の映画を調べ、アニメだし、取っつきやすいかなー程度のノリで観た。
一回目は原作は未読。原作者についての知識もゼロ。
扱っているテーマが幸福、善、国家と私人、自意識など、どれも倫理的哲学的なモノで全く気分は転換しなかった。
それでも映像の美しさ、臨場感は素晴らしかった。
原作を読んでいないので細かな設定がイマイチ飲み込めないまま終わった。
このまま終わらせるのにはもったいない内容だと思い、映画終了後直ぐに本屋へ行き原作を購入し、読んだ。ついでにゲーテの若きウェルテルの悩みと坂口安吾の堕落論も買った。
二回目。
目立った原作との違いは2つ。
ひとつはトァンとミァハの恋愛表現。
原作にはそんな描写はなかった。
もうひとつはやっぱりラストシーン。
恋愛表現を追加するのはべつに悪くないと思ったけど、それをトァンがミァハを殺す動機として使うとなると違うのではと思ってしまった。劇場ではトァンがミァハを殺した瞬間走って退場した観客がいた...。
せっかく素晴らしい映像技術を使っているんだから、原作の最後にあるトァンとミァハが
コーカサスの山々を眺めながらミァハの意識が消滅する場面を観たかった。
ただ、原作でも映画でも、トァンは世界のことなんて興味がない。これはプライベートな問題だと言っている。
原作では復讐というプライベートな感情。
映画では愛情というプライベートな感情。
だから映画の動機でも的外れにはなっていない。
ラストシーンが原作通りだったら星6個。
今年一番心が動いた映画でした。
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