虐殺器官のレビュー・感想・評価
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他の伊藤計劃作品にも興味が湧きました
今の平和な日本では、戦争や内戦はテレビの中の遠い世界のように感じてしまいがちです。
ジョン・ポールの考えていた事は、先進国にテロを持ち込ませない為、その人達同士で争わせるというすごく残酷なことですが、自分の周りが平和であるなら、人は無関心でいられるかもしれません。
劇中での言葉にもあったように、人は見たくないものは見ないようになっているとは正にその通りだなと感じました。
人工筋肉のくだりは、屠殺場の様子などを撮影した映画「いのちの食べかた」を思い出しました。
本作で初めて伊藤計劃の事を知り、他の作品も本や、映画版も見たいと思います。
監視社会と幻滅、虐殺の理由
主人公に感情移入する前に終わってしまった。彼らは組織の中では優秀なコマでしかない。
予想していたが、殺戮シーンはゲームのようだが、それでもしんどい。
アニメだから仕方ないけど、表情が今ひとつ読めない。みんな、能面のようでセリフの口調はすごく軽いか、淡々としていて、想いを読み取れない。アップのシーンで現しているのかな?
世界が広いのか狭いのかわからないような、虐殺の理由は?? 究極の格差なのかな?
未来と監視社会への幻滅と適応、その隙間にチラッと光る何かとても大切なものをかんじた。
数年に1作の良映画
痛みは感じないですけどね
原作未読で視聴。この三部作企画のシリーズも初めて見ました。
全体的に足りてない所の多い原作依存の映画という印象でしたが、見ている分にはわりと楽しかったです。
劇場終了後は、どういうこと?という感じで主人公の最後の行動の意図が理解できないままでした。原作既読の方の解説を読んでやっとオチが腑に落ち、ハウンドドックだ!などの説明不足だったシーンもあらかた理解しました。
愛する妻と娘がテロに巻き込まれた時自分は他の女と寝ていた、という何度も何度も描かれたあのシーンの悲しく滑稽で空虚な感じが美しくて好きでした。
毎回ほとんど第三者か女視点でしか描かれてなく、あのニュースを眺めていたジョンの背中が何を思っていたのか直接は描写されなかった(ように記憶してるのですが)のが良い描写だったと思います。
その後ジョンが何を思ってどんな行動にでたのかは、とうとう彼を捕縛した時聞かされることができます。
家族の為でもなく自分の為でもなく滅私されたら奉公するしかないという典型的な自分が何ももってない故の奉仕の精神で彼の視点からアメリカを救う極論を走っていたジョンの中では浮気相手の女もなんの価値をもっていなかったように見えますが最後の最後だけ報いたいとかいっててどういう存在だったんだ?と思いつつまあ死んじゃったらそう言ったけど生きてる間は何も省みてあげない程度の存在でしたよねやっぱり…と落ち着きました(これは全て映画のみの印象です)
この映画一番のツッコミどころだったのが主人公おまえいつの間にあの女にそんな懸想を…?という点で、原作で読んだらゆっくり仲が深まっていく描写もありそうですが映画では尺がなかったのかスパイとして潜り込んだら速攻いつのまにか恋に落ちてたんだみたいな展開でお前スパイだよね!?って笑っちゃいました。
未来的管理社会で、非正規暴力部隊にいる主人公も仕事の前は毎回感情コントロールされ良心も痛まない痛覚も感じないという知らず知らず虐殺を行うメンタルコントロールをされているという設定で、人を次々と殺す戦闘中の画面はわざとFPSのような簡単であっけないゲームのようなちゃちな演出になります。インドだかで全員15歳以下の子供達の部隊を次々撃ち殺すシーンがその最大の目玉で、そういうのが好きな人は好きそうな映画といえそうでした。
私が一番好きだったのは、仲間の陽気な後輩が無線で「肩がやられました。痛みは感じないんで平気ですよ」「外の様子はどうですか?」などと言っているのを主人公が助けにいってみたら下半身腰から先がちぎれてなくなった血の海状態で上半身だけでスナイパーライフルを撃ち続け変わらず陽気に喋っている後輩を目の当たりにし、絶句しながらも落ちていた足を拾って「これで我慢してくれないか…」といって胴にくっつけようと差し出すシーンです。
気が狂いすぎててめちゃめちゃ笑った。
タイトルの由来の、人間はある文法で虐殺を行う方向へマインドコントロールできる、なぜなら人間には予め脳内に虐殺のための器官が備わっているからだ、という話は「ふーん」という感じで終わってしまうかと思います。作品冒頭からどうみてもそういう話で特に意外性はないです。
ジョンはなぜそんなことをしてまわっていたのか?という点がストーリーを追う根源となっていました。
そしてそれを追う過程で見聞きしたいろいろから主人公にとっての平和を考える…というある程度王道の作りのように思うですが、主人公の思想には罪滅ぼしというか精算という観点が介在しておりあまり救いはない終わりです。
原作での、映画のその後のエピローグはあったほうがラストの展開のわかりがいいと思いました。(というより映画だけで意図を理解するのは困難と思います)
主人公が中村悠一な上に犯人の言語学者ジョンが櫻井孝宏で櫻井さんの演技が最高でテンションがあがりました。
主人公の友達だったマッチョはそんな悪いこともしてないのに主人公が急に女に目が眩んだせいで一瞬で裏切られて殺されて可哀想だな〜と思いました。(作文)
私もあのマッチョが食べてたピザが食べたいです。
む~ん
エンタテイメント抜きにアイディア一本勝負っていう潔さ
それだけに単純で自分だったらと思うとちょっと物足りない
謎の人物であるはずのジョン・ポールが、当初の予想のまんま暗躍しているというヲチで
虐殺という騒乱を起こしているのが実は平和のためというメンタル面でのどんでん返し
そこに一ミリも共感する余地がないし、そんな状況を覆す新たな希望の提示がないままエンディング
む~ん
人の行動を言葉で操作するというアイディアは
プロパガンダのように歴史的にもソレっぽい事例があるからリアリティあって面白いんだけど
それを虐殺だけにフォーカスする意図がわからない
ジョン・ポールが虐殺器官を発見したのはいいとして
それを利用してる組織は別にいて、
ジョン・ポールは虐殺器官の研究の先にもっと希望がモテるようなマクガフィンを見つけていて
それが組織にとっては不都合で、主人公にウソの情報を吹き込んで、ジョン・ポールの暗殺をっていうプロットじゃ駄目なのか
とはいえハーモニーとの作風には一貫性があって
これが伊藤計劃なんだなと思うし
当初の予定通り三部作の最後として屍者の帝国を見ていたら
エンタテイメント性が鼻についてたのかも
それには虐殺器官とハーモニーを面白いと思わないといけないんだ
破綻してくれてありがとう
無事に三部作完走できたよ
公開に感謝
期待通り。
SFではあるけれどファンタジーではない
と思わせてくれる作品。
SFにありがちな斬新な発想の世界での物語でなく、リアルに感じられる世界です。
そのため感情移入できる部分や考えさせられる部分が多々ありました。
原作と展開が違う所はあれど台詞はほぼ原作通りで良かった!
公開終了まであと少しなので、ぜひ劇場で鑑賞してもらいたい。
イルカの様な形に変形して海中を進むポッドの周りを本物のイルカが泳いでいるという皮肉。
ポッドがイルカの形に変形するところは神秘的で美しい。こういう所にも拘って作ってるんだなと職人気質を感じました。
以下、ネタバレなのでご注意を。
最後、主人公は「これが僕の物語だ」とまで言い、自分の意思で行動したと思っているようだけれどそれはジョンの手中でしかない。なんとも言い難い気持ちになりました。
ジョンが主人公に植え付けた言葉が何だったのか。観た人それぞれで受け取り方が違いそう。
ノンストップな怒涛の展開に続く最高のラストでした。
ただ、冒頭のアレックスの死を原作と変えてまで、グロシーン(将軍が殺されるところ)にする必要があったのかは謎。
冒頭から感情適応調整に疑問を抱かせるためでしょうか?
ん。。。。
原作愛読者です。
色々紆余曲折あったようですが、ひとまず出来上がってよかったなぁと。
関係者の方々、お疲れ様でした。
m(_ _)m
が。
個人的にはちょっといただけないなと思いました。
基本的なストーリーは違和感がなく(観終わった後に、母親や亡霊に苛まれるシーンが全くないのはどーなの?って言ってる方々がいましたが、あれはアニメにはし辛いので、まあ、仕方ないかなと。。)、アクションシーンも迫力満点でよかったのですが、ジョン・ポールの最期が改変されていて、あれだと、帰還後にクラヴィスがグレてしまった(笑)原因がホントにルツィアが死んじゃっただけっぽく見えてしまって、そこは変えない方が良かったんじゃ。。。と感じました。
キャラ設定もちょっと違和感があって、
クラヴィスはもう少し皮肉屋だし、
ウイリアムズはもっと能天気
な感じだったんだけど、両方とも薄まってる感じがしました。
色々尺の問題なのかなぁ。。
それこそノイタミナ枠でじっくりやってくれた方が良かったんじゃ。。。
(-_-;)。。。
原作未読でも楽しめた。
原作は読まずに見た方が良いと思う。
難しくて深い。人間の本質的な残虐性に迫る異色作。
【賛否両論チェック】
賛:人間の残虐性を〝器官”と定義づける領域にまで掘り下げた価値観を持つ宿敵と、その殺戮本能の本質へと迫ろうとする主人公との対比が印象深い。内向きな管理社会への問題提起も垣間見える。
否:会話がかなり小説チックで、かつ難解なので、結構違和感を覚える。グロシーンもかなり多め。
“人間の持つ残虐性”を扱う作品は結構ありますが、ここまで本質を深く掘り下げて、“人間には虐殺を司る、いわば「器官」がある”という理論にまで昇華した作品は、かなり特異な印象です。それほどまでに人類にとって、“殺戮本能”というものが抗えないものだという、一種の虚しさが漂います。
同時に、そうした本能を前に先進国が選んだ、“自由の幅を制限してでも、徹底的に管理された社会によって、自国民の安全を確保する”という内向きな姿勢へのアンチテーゼも垣間見えます。その辺りは「スノーデン」にも通じるものがありそうですね。
語られる内容はかなり難解で、グロシーンも沢山ありますので、好みは分かれそうですが、気になった方は是非。
公開されて良かった‼
タイトルなし(ネタバレ)
原作未読です。
気持ち悪い。
悪夢のループを見ているようでした。
アメリカで呑気にピザを食うシーンに戻るたびに
もうこれで終わりでいいよ。
実は夢オチでも良いよ。
謎は謎のまま終わりでいいよ。
と思いつつラストまで見ました。
結局主人公が世間へ発表したことで、その後の世界がどのように変わるのか、何も変わらないのか、頭の悪い自分にはついていけない。
ただメカはそこまで進化するかな?と思いつつも、大変充実してくれて良かったです。
特にドルフィンタイプが海獣達と泳ぐシーンが実際にあるなら見てみたい。
言葉で人の虐殺本能を呼び起こすだけあって言葉の言い回しに力を入れて...
原作を読んでおくか、注意深く観察して理解しながら観ないと、いとも簡...
小説未読で見ました。
正直、小説が未読だったのもあって一回では内容が掴みきれない部分がありました。
それでその後結局、小説を買って読みました。あまり読解力がないので、SF小説は不安だったのですが、映画を見ていたので内容がスラスラ入ってきて、文字から映像が見えるようでした。そこでやっとこの物語の本当に問いたい事などが理解できました。本当にこれは素晴らしい作品だと思います。
先々週くらいにスノーデンの映画を観たこともあってか、痛いくらいにこの話が入ってきて本当によかったです。
映画を観た直後はすこし???というところもありましたが、小説を読んでみると物凄くよく映像化されていると思いました。
もし小説が未読で、SF小説にはなれていないという人なら、まず映画を観て世界観や話の大筋を頭に入れてから小説を読むのもいいと思います。
この日見た映画で一番❗
これは、これ。あれは、あれ?
覚醒
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