マダム・イン・ニューヨークのレビュー・感想・評価
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良妻賢母なマダムのニューヨーク冒険記
家族の中で自分だけ英語ができないことを引け目に感じるシャシがニューヨークの語学学校で自分の尊厳を取り戻してゆくストーリー。
インド映画は、あの突拍子のないタイミングで歌い出し踊り出すのがちょっと苦手なのですが、(いままで沈んでたのに笑顔?!となる)これはミュージカルのように自然な入りで歌ってくれるので楽しめました。
ところどころ笑いも入れてくれ、ほっこり心温まる。
あー、英語ネイティヴのひとってたまにこういうデリカシーない人いるよなー、自分は英語しかしゃべれないくせに!!という皮肉なシーンには共感しまくり。
主演の女優さんが美しく、愛されキャラを演じておりました。
姪っ子ちゃんが、アメリカで育った男女平等リベラル感のいい味をだしています。
女性はもちろん、だんなさまにもみてほしい一作。
マダムの懸命さがステキ
個性豊かな面々
ボリウッド映画 恐るべしっっ♪♪
2013年『きっと、うまくいく』以来、インド映画《ボリウッド映画》2年振りの恐るべしっっ!!ヽ( ̄▽ ̄)ノ
しっかり真面目に家族の為に奮闘する ちょびっと古風な専業主婦シャシは、英語が苦手という理由から夫や娘から事ある毎に馬鹿にされている。そんな折、ニューヨークで暮らす姉の姪の結婚式の準備の為に独り不安を抱きニューヨークに行く事になるシャシ。通じない英語でニューヨークに全く馴染めない中(涙)、現地で「4週間で英語が話せる」という英会話教室を見付け密かに通う事にする。
自分自身の力と、心優しいニューヨーク在住の親族や素晴らしいクラスメイト達の協力で自分の自信を取り戻して行く!!
皆さん とてもとても魅力的っっ♪♪
インド映画らしい挿入歌も粋にポップ♪♪
ボリウッド映画は観ていて実に爽快やぁねぇ~(* ̄∇ ̄)ノ
みんな温かい
みんなシャシが好きになる♪(///∇///)
この主演女優さんがスッゴい美人で
……(^w^)
役柄からいって二十代ではないと思うんだけれど、儚げで守ってあげたくなる感じ……(///∇///)
もし仮にインドで東村あき子先生の『主に泣いてます』が実写化されるとしたら
「泉さんは貴女だ!ビシッ!」と指差ししたくなるタイプ(まあ、インド、やらないだろーけど( ̄▽ ̄;))
ストーリーも、色んなサイトの解説でだいたい分かる通りなんだけど、展開が『どや顔』ぽくないのが、
いいんだよね~( ´∀`)
しかし私がインドと言われて思い浮かぶのは『死んでもリセットされないカースト制度』とか『持参金目当てに花嫁を次々と亡きものにしてしまうアレ』なんですが、これらはもう昔の話なんでしょうか?
女性監督さんが作ったこの映画、
今のインドがどんな状態なのかによって、かなり意味合いが違って来る感じ……
庶民とは無縁のハイソな奥様の『憂鬱』なのか?
インド中の主婦が「うちの旦那や子供もあんな感じで……」と身近に感じられる映画なのか?
まさか、「今時、サリー着て歩いてるヤツなんていねーよ」じゃないでしょうけど、はからずも今のインドに興味津々です。
やればできるしやらねばできない。
英語の勉強のモチベーションになったという感想を見て、劇場に足を運びました。
笑いあり涙ありで面白かったですし、場内でもところどころ笑い声が聞こえました。
インド人の主婦(超絶美人)が英語ができないことを家族中でバカにされ、コンプレックスに感じていたところで、NYに住む姉の家に結婚式の手伝いで単身乗り込むことになるが…という内容。
言葉の壁の大きさも感じましたが、それ以上に英語が喋れる(=視点を変える)と、人生はこんなにも楽しくなる、というのが映画を通して伝わってきました。
ちょっと長めの上映時間ですが、思っていた以上に色々な出来事が起こるので、そこまで間延びする感じはありませんでした。
マダムが英語に楽しく向き合っているシーンや、姪っ子ちゃんに励まされるシーンは何だかこちらまで、うぉーやってやる!という気持ちになりました。
良作との出会いに感謝。
「歌って踊らないインド映画をどうぞ!」という劇場の謳い文句と、かねてから話題の「新次元のインド映画」の評を踏まえての鑑賞。
結果、非常に満足出来た一本。
本当に、女性だったら必見と言って差し支えない見事な作劇。
特別な事は何もしていないのに、これだけ伝えたいことが伝わる映画は出来るモノなんだよ…
なんて再認識出来たのも幸せな一作。
ただ「ありがとう」は大事だね…一つだけの残念点。
女性映画なのは確か、そしてただ主役の女性の魅力が描き切れて無いのも確か。
女優さんの美しさにかまけて「人から愛される一人の人間」という描写が希薄と感じたのも確か。
そこだけが、残念至極だった…
ビングリッシュ
素晴らしい。
久しぶりに映画館で泣いた。
女性蔑視や学が浅い人を軽んじる社会への皮肉、批判を込めたヒューマンドラマと言ってしまえばそれまでだが、すべての台詞に意味があり、ストーリーの構成がとても秀逸。
3つの言語が核となるが、その使い分けが本当に上手い。
フランスの彼が伝わらないフランス語で愛を語るシーンは漏れなく泣いてしまった(笑)
そのフランスの彼、並の映画なら彼と夫との間で揺れ動く主人公の描写に力を入れるのだろうが、この映画ではあくまで主人公は家族を尊重し、そして家族からの尊敬を求める芯の強い女性として描かれている。
これがこの映画最大の成功点のひとつであると思う。
無駄な恋愛話に時間を割かなかったのはとても良かった。
そしてレビューの多くで絶賛されているラストの英語のスピーチは、ほんとに映画史に残る名シーンの一つに数えたいほどの名シーン。 今までの伏線を全て拾い、そして夫と娘へ今までの言動の浅ましさに気付かせるという最高のカタルシスシーン。
最後はやっぱり夫との愛を確認しあい、誰もが、フランスの彼までもが不幸にならない大団円。
インド映画お得意の歌も素晴らしいし、文句の付け所が難しい映画。
私の人生でも上位だな。
日本でもっと話題になっても良いのにな。
私なら言い返してしまいそう(追記あり)
主人公のシャシは、古風な、いいお母さんであり、いい奥さん。
家族のためにせっせと世話を焼き、働いて、それが彼女にとっては当たり前であり幸せであるんだろうけど、やっぱり「ちょっとは分かってほしい」って気持ちがあって、その人間味が素敵だった。家族とのやり取りは、本当にどこにでもあるシーンばかりだと思った。シャシに感情移入していく中で、三十路の私の世話を焼く母親に、きちんと言葉で感謝を伝えなくちゃなとも反省しました(笑)
おい、お茶
あれ、どこ置いたの!?
そんな言葉に私なら、自分でやってよ!探してよ!と言い返してしまいそう。映画を見ていて、どんどんシャシを応援してしまいます。
英会話学校のシーンもいいなあ。あのあたりの言葉のスクリプトが欲しい!!
あと、差別に対してキッパリ批判したり、同性愛カップルが出てきたり、いろいろオープンになってきたんですね。世界のそういう流れは、いいんじゃないかなと思う。
作品の一貫性と、「清らかさ」がすごく良かった。安心して「お母さん」を応援できます。英会話学校だから、いろいろな国籍の人が出てきて、それも国民性が見えて、上手に作品を盛り上げています。
もし日本版があるなら、義理のお母さん、樹木希林さんに演じさせたいなー。
もう一度見たいし、DVDも買いたい作品です。
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翌日、親友とまた見に行ってしまいました。
この映画は、ネタバレを読んでも、楽しめる映画だと思う。二回目の方が心に余裕をもって見ることができたので、より感動して泣きました。
色々な伏線が散りばめられていて、それらが繋がっていくんですが、自然に物語が進行していくのが素敵です。
ぜひ何度も見て、これがあれか!と、たくさん見つけてほしいです(笑)
ボリウッドはハリウッドを超えた!
あらすじ
中年インド女性「シャシー」を演じるスリデヴィ、二人の子の母であり、主婦であるとともに、無店舗でラドゥー(甘菓子)の宅配業を営む女性が主役の物語。
(多言語国家のインドでは、公用語のヒンディ語よりも英語が話されることが多い場合があるのだが、それだけに意思疎通の手段のみならず、英語はステータスにもなっている)
シャシーは、英語が出来ないことによって、夫や娘から尊厳を傷つけられる日常に憤りを感じている。
ある日、ニューヨークに住む姪の結婚式に招待を受け、家族に先立つこと4週間、言葉の不安を抱えたままアメリカに旅立った。
入国審査、ファストフード店でコミュニケーションが出来ず不当な扱いを受け、尊厳が揺らぐ。
姪との待ち合わせ場所で通りがかりのバスに書かれていた「4週間で、あなたも英語が話せるようになる!」という広告を見たことで(あえて言えばここまでが伏線で)物語のストーリーが始まる。
シャシーが入ったクラスには、「雇い主から、子供がスペイン語しか話せなくなってしまうから」と勧められ入学したメキシコ人、ベビーシッターのエバ。
タクシードライバーのサラーム・カーン。(なぜか名前を言っただけでインド人青年がくすりと笑う「ラジュー出世する」のシャー・ルクカーンに似ているためか?)英語クラスへの入学の動機は「パキスタン女性はタクシードライバーと結婚したがらないから」
そこからが、パキスタン人を揶揄するようなコミカルな場面「英語を勉強して外国人になるんだ。フランスのあごひげ!ジョニー・ディップ!サルマンのような!」
(おそらくインド映画スターのサルマン・カーンのこと)
フランス人ホテルのコックのローン。シャシーに恋をしてしまう。シャシーはローンに出会ったことで、自分自身を再発見し、自分がちっぽけな存在ではないことを教えられる。
シャシーは自己紹介で、自分がインドの伝統的な甘菓子ラドゥーの商いを「自宅で小さく営んでいる」と話す。しかし教師デビットは「私たちは、起業家をクラスに迎えた!」と起業家という単語の説明を板書する!
あなたは起業家だ!という言葉にシャシーの表情に明るさと、瞳に自信がよみがえる。
自分のすぐ後ろでさえ「奴はソフトウェア以外のことはまるで知らない」とからかうオフィスの人間たちに、英語でこのような講義をして見返してやりたい!と志すインド青年ラマ。
パキスタン青年、サラーム・カーンから、何かとちょっかいを出されるヘアーカット(デザイナー)の若い女性アジア人のユー・ソン。
ゲイの教師のデビットが恋人と別れた話を聞いて、自身もゲイだとカミングアウトした無口なアフリカ人のウンブバケッ。
250本以上の映画に出演したキャリアを持ち、古典舞踏の土台があり、時に激しく、舞い踊り、天才的表現力で観客を魅了したスリデヴィが、15年ぶりにカムバックしたこの映画では、内面の感情を極力抑えて、わずかな表情や仕草で静かに「シャシー」を演じきっている!
ベースに流れる反骨心。
70歳を迎えたアミダブ・バッチャン扮する初老の男性が、入国審査官からアメリカへの入国の目的を尋ねられると「斜陽のお前さんの国を助けてやるために来てやったんだ」と言い放つ!(世界の覇者として君臨し、世界警察のように振舞いながら、あくなき欲望で富をかき集める国家。インドなどの後発国の旅行者には、違法労働でもするんじゃないかという偏見が見え隠れする)アメリカ(ハリウッド)への対抗心。
パキスタン青年、サラーム・カーンは、英語クラスで出会ったインド人青年ラマに(少し大仰に)「「血塗られた言葉で語り合おう!」と互いの(あるいは全世界の)歴史的悲劇と英語について話す。
またメインテーマは家族。
「親は子供たちのために、できる限りのことをしているのに、あたかも子供たちは親を、嫌になれば投げ捨てることが出来る、ゴミのように思っているかのような扱いをする。それも悪びれずに!」「男が料理をすれば芸術で、女が同じことをすれば義務!」と憤るくだりがあるが、世代間の問題や、女性問題を取り上げながら、メインテーマに向かう。
「俺の女房はラドゥーを作るために生まれてきた!」と姉や、姪と彼女のフィアンセや、子供たちの前で英語で軽口をたたかれ、更に「俺はそれほどお前のラドゥーは素晴らしいと褒めてるんだ!」とヒンディ語で言い訳する。また、あたかも以前「ラドゥーの商いは、もうやめたらどうだ?」といった事など、無かったかのごときそぶりをする。シャシーは静かな怒りを、諦めたような悲しい瞳に沈めてゆく。
「世界の縮図である家族はどうあるべきか?夫婦の関係性は?自分が小さな存在だと感じたときでも、家族は自分の存在の大切さに気づかせてくれる!」など結婚する若い二人に祝辞を述べるくだりは圧巻だ。互いの違いを、承認し、弱さも含めて認め合い、支え合う。世界や家族がそのようならば、人類の未来には明るさがある。
金銭的には小さな商いでも、多くの人々に愛され、賞賛されるラドゥーを つくるシャーシ。
インターナショナルな感性を持ち、饒舌ではないが、自分の言葉で、 大切なものは何かについて、多くの人々の共感を得ることが出来るシャーシ。
決してモダンではないが、信念を曲げずに真っ直ぐに行動するシャーシ。
人間にとって大事なものは、言葉によるコミュニケーション能力ではない。たどたどしい英語で関係性を深めていくクラスメイト達の信頼関係の構築が、言葉に乗せられないものの美しさを描き出している。
英語が出来ないことで、シャーシーを軽んじた事のあった夫や娘にとって、シャーシーの描いたあるべき関係性は、智恵と知識を履き違えてしまった事への激しい後悔をもたらす。
この気づきがもうひとつのテーマだ。こうして気づきながら、乗り越えて、一つになってゆく!善悪二元論ではない、インド世界の懐の広さを感じる。
急激に経済成長するインド社会が抱える問題であることはもとより、全世界の人々が、世代を超えて抱えている普遍的な問題提起をしていることは俊逸だ。
ボリウッドは、ついにハリウッドを越えたか?
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