「思いやり」マダム・イン・ニューヨーク マッターホルンさんの映画レビュー(感想・評価)
思いやり
ハッとさせられたり、同情したり、そうそう、とうなずいたり、マダムとともに、異国の地で、人との繋がりを、考えさせられた。
まず、家族について。どんなに尊厳が傷つけられたとしても、家族だから持てる愛情。これはきれいな話と理解できても、私にはできない、けど、ハッとさせられる。自分の我が儘さと、自由を履き違えた今の生活を改めて振り替える。
そして、恋と自分。自分を好きになれないときに、自分を取り囲むすべてを嫌いになってしまい、新しい生活を求めていく。まさに私の人生そのもの。いつまでも自分を愛せないでいては、人生に、申し訳ない。恋はいらない、自信を取り戻す助けになってくれてありがとう。なんと言う素敵な思考。コメディとは思えないほど、深い反省を、促してくれた。
そして、この映画の素晴らしいところは、マダム役の女優さん。後で見たら、このかたは、ボリウッドの大スターで、しばらく家庭に入って芸能活動はしていなかったとか。綺麗なだけじゃない、何かがにおいたつ素晴らしい演技だった。
インドというより、香港かなにかの青春映画みたいな爽やかな甘酸っぱさが感じられる、大人の青春映画だった。
でもしばらくして冷静になると、マダムの夫への愛情はどこにあったのか?インドも日本も封建的な社会であることで、女性は我慢する事ご美徳という固定観念に縛られているのでは?そこからしか幸せを見いだしてはいけない、またそうすることで四方丸く収まると、諦めの幸せのような気もしてくる。ただ、果たして奔放な恋愛や、生活にも幸せがあるとも考えられず、なかなか難しい問題。
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