「最後の対局シーンは見応えがあるが、それまでが凡人には理解が追いつかず退屈」完全なるチェックメイト Theo5さんの映画レビュー(感想・評価)
最後の対局シーンは見応えがあるが、それまでが凡人には理解が追いつかず退屈
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Wikiなどを見ずに事前情報を一切調べずに見ると最後の対局は狂人vs狂人の盤上と盤外で起こる予想不可能な展開が見応えがあり緊張感が張りつめていてとても良かった。
しかしながら、そこに至るまでの過程が良くない。
まず説明不足なのか、作った側も理解出来ていないのか、ちっともフィッシャーがどういう人間なのかというのが映画的に説明出来ていない。
急に怒り出して対局をやめるシーンも最後まで観たら、ああ、もうこの辺りから精神に異常をきたしていたのだなというのがぼんやりと解るが、そんな事前情報が無い中では全く何が起こったか解らなかった。
童貞を捨てるシーンもあっさりしていて、やらないといっていたのに何故やる事になったのかやら解らず、そんなもん察してくださいとばかりに、こちらが勝手に察しないといけないのだろうか。
童貞を捨てたから、その日の試合は負けた?関係あるのか?それならなぜ捨てたのか?とか本当にもう理解が追い付かない。
以前、数学者の境地は人間の意識出来ない場所にあって、それをとらえようとするのは無理なんだみたいな講義を受けた事があるが、まさにチェスプレイヤーもその境地なのだろうが、それでも映画にしたのだから視覚的に解りやすい作りにしてくれれば、もっと最後の対局も楽しめたかもしれない。
精神世界の映画を作りたかったというのならしょうがないが、エンターテイメントとしてならばとても勿体ないと思う。
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