イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密のレビュー・感想・評価
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作品に引き込まれました。 実話に基づいた作品とは知らずに観ていまし...
作品に引き込まれました。
実話に基づいた作品とは知らずに観ていましたが、カンバーバッチが役柄にバッチリハマっていて良かった。共演者らも良かったな。
勉強になりました
天才数学者の難しい話かと思っていた。確かに専門的な部分は難しいところもあったが、全体的にはそれほど難しい話ではなかった。
そしてとてもとても面白かった。
戦時中のイギリスが舞台なので自分には遠い話のようにも感じられるが、いやいや本作のアラン・チューリングと言う人は今を生きる全ての人に関わりがあると言っても過言ではないだろう。この人がいなかったら歴史は変わっていたに違いない。
それが本作を観て良くわかった。
そして何より私が感銘を受けたのは、暗号を解読したあと、(仲間の兄が乗った)自国の船が攻撃されると分かりながらもそのまま何も手を打たなかった。あのクダリだ。
正確には何も手を打たなかったのではない。
冷静にこの先の展開や被害の大きさを計算した上での選択である。
実はああいう選択は私が一番苦手とするところなのである。
どうしても目先の情に流されがちで、その先にある被害の大きさに目がいきにくい。
そしてそれは日本の映画にも言えることである。
救助隊員がファイト一発ヨロシク目前の被害者に拘ったために被害を大きくし、挙げ句に隊員自ら救助されると言うような話は邦画のヒット作で観たことがある。
もしかすると日本人が一番苦手とする部分なのかもしれない。
しかしそれではいけないのだと本作を観て痛感した次第である。
戦争というのはあくまでも非情なものなのだ。
被害を最小限に抑えるために今何をすべきなのか?
いやいや勉強になりました。
もちろん戦争が無いことが一番ではあるが…。
カンバーバッチさすが。
カンバーバッチさんが好きなので何も情報を入れず観に行きました。内容はそんなに長くないながらもたくさん詰まっていてラストは泣けました。あのような歴史事実は知らず、自分でも調べたくなるようなものでした。
同性愛は罪なのか。
イギリス政府が長らく機密にしていた話がオープンになり、本作のような映画がてきあがった。
ドイツの暗号機エニグマを解読したアラン・チューリングのチームの話である。
事実を基にした映画のようだが、その事実関係はあまり知らなかったのだが、エニグマはいずれ解読されるんだろうなぁと思って観ていたが、その解読したあとである。
アラン・チームは解読した事実を明らかにせず、流す情報と隠す情報を選別し、ドイツに、エニグマが解読されたことを悟られないようにするという作戦に出る。
要は、情報を握ったほうが勝ちなのだ。
ヨーロッパでは、第2次世界大戦も情報戦であって、情報面では大いに遅れをとっていたと思われる日本の結果は、もはや火を見るよりも明らかであったということだ。
モルテン・ティルドゥム監督は、3つの時間軸が同時進行する込み入った脚本を、手際よく見せていて、これは並の演出力ではない。
また、その脚本をものにしたグレアム・ムーアも見事である。オスカー受賞もうなずける。
このiPhoneも、元をただせば、アラン・チューリングの功績ということか。
国家という「なぞなぞ」
「エニグマ」と名付けられたドイツの暗号機。それは古代ギリシャの言葉で「なぞなぞ・パズル」を意味するそうだ。
物語の舞台は第二次大戦初期のイギリス。ドイツ軍が優勢だった頃のお話である。ドイツ軍の優位をひっくり返すには、通信に使われている暗号を解読する必要がある。イギリスの諜報機関は極秘チームを結成する。そこに呼ばれたのが数学者アラン・チューリングを含む6人の天才たち。このチームは、10人の科学者が24時間働いても解読に2000万年かかるといわれた「エニグマ暗号機」の解読に挑んだ。
本作はすべて事実に基づいて描かれる。
アラン・チューリングは人の頭で考え、作業するには時間がかかりすぎる、と考えたようだ。エニグマが暗号化する「機械」であるならば、こちらも「機械」で対抗しよう、と彼は考えた。彼は1930年代で手に入る部品を組み合わせ、小さな部屋ひとつ分もある「からくり時計」にも似た装置を組み上げてゆく。彼の狙っていたもの。それは電気を使って機械に計算させる「電気計算機」だった。
チームの華ともいえるクロスワードパズルの天才、ジョーンの助力もあり、彼とそのチームはついにエニグマの解読に成功する。しかし、チームの新たな苦悩はここから始まるのである。
ドイツ軍が次のターゲットとして狙っているのは、どのイギリス船舶なのか? それはすべて解読できた。
しかしだ。大西洋上、ドイツ軍Uボートに狙われているすべての船舶が今、一斉に回避行動をしたらどうなるか? ドイツ軍は「エニグマが解読された!」と察するだろう。イギリス諜報部としては「エニグマはまだ解読されていない」と、ドイツ軍に思い込ませなくてはならない。
どの作戦、どの船や航空機が重要なのか? どの部隊に解読した情報を伝えるべきなのか? ドイツ軍に攻撃されてもやむ得ない部隊は? 彼らはまさに命の選別をしなければならなくなるのだ。
結果として彼らの狙いは成功した。ドイツ軍は戦争終結までエニグマが解読されたとは思っていなかったのだ。
数学者アラン・チューリングを演じるベネディクト・カンバーバッチがいいなぁ。天才にありがちな、わがままさ、協調性のなさ、奇異な行動、集中すると他のものが目に入らなくなる。そういった特徴をよく演じている。触るとぽきっと折れそうな繊細な神経の持ち主でありながら、自分の研究への熱意と信念は鋼鉄のような力強さがある。そのような極めて人間的にバランスの取れていない、危うい人物像を描き出しているのは本作の大きな魅力だ
のちに彼の恋人になる女性ジョーンにキーラ・ナイトレイ。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでの印象がすっかり定着し、おてんば、奔放なイメージがあるが「プライドと偏見」といった文芸作品では抑制の効いた落ち着いた演技も見せている。本作でも、以前のイメージをガラリと変えて、頭脳明晰な女性を演じている。
このエニグマ暗号機解読についての事実は戦後50年間も英国内で極秘扱いとされていたそうである。
暗号機「エニグマ」に関する映画が、なぜか2000年ごろから増えているのは、そういった事情もあるのだろう。
数学者は真理を追究する人だ。
彼らは「数」に隠された「神の声」を聴こうとしている。
真理を追究すること、学問の世界に埋没できる時間は、自分の中に、ある種の「理想郷」をつくりだす。そこには精神の限りない自由が許されている。恍惚に似た、幸福な時空間だ。
しかし、戦争という状況下では、個人の心の中の「理想郷」さえも取り上げられてしまうのだ。
アラン・チューリングの不幸は、彼が天才的な数学の才能を持ち合わせてしまったことにあるのだろう。彼は国家の命運を握る人物として、否応なくそのシステムの部品として組み込まれてしまった。
アラン・チューリングが隠し持っていた「同性愛者」という暗号は国家によって解読され、彼は悲劇的な運命をたどる。
21世紀の僕たちは、アラン・チューリングのアイデアを、手のひらサイズに凝縮し、日常で当たり前に使っている。今や中学生でさえ持っている「スマホ」。
あれはまさに「電気計算機」
今の言葉で言えば「コンピュータ」だ。
それを使う人間の行動は、電気信号に置き換えられ、巨大なデータの塊「ビッグデータ」として解析される時代になった。
「最大多数の最大幸福」という言葉を聞いたことがある。
国家はそれを目指すための手段であるはずだ。
しかし、戦争が終わり、平和な時期になったとしても、国家にとって、人間の命は「数」や「データ」として扱われてしまうのかもしれない。
本作を見たあとで、まるで国家そのものが巨大な「暗号システム」のように見えてくるのは、僕だけではないはずだ。
天才が故の悲しき人生
コンピュータの基礎を築いた天才アラン•チューリングの物語ということで、IT業界にいる者としては観ておかないと思ったが、正直あまり良く知らなかった。
第二次大戦の終結を2年以上早めた功績にも関わらず、時代背景が彼を英雄になることを許さなかった。当時、同性愛が犯罪であった事も天才を追い詰めた。。
映画を観終わってから、チューリングに関心を持って調べたら、興味深いことが沢山出てきた。戦後の冷戦時代を考えれば、彼の死が自殺かどうかも怪しいと。そして、劇中に青酸カリとリンゴが登場していたが、彼が青酸カリで自殺したベットの側には一口かじったリンゴが残っていたという。そう、Appleのロゴを連想させるのだ。史実に基づいた映画であるが故、鑑賞後に色々調べてみるのも良いものだ。
チューリングへのレクイエム。
アイアムレジェンドの形式で進められていくストーリー。(元はわかりませんが)
単純な推理ではなく、こちら側にあれ?と思わせる様々な「イミテーション」があり、常に考えて観てしまう。実話と言うこともあり、ソ連のスパイ容疑をかけられるなど政治背景もバッチリでした。
ラストの資料を燃やしながら皆で騒いでいて、彼の死を告げるというシーンが何だか印象的。
少しエグいのと、カンバーバッチ見直しました。
ちょっと文句言うと、過去変が最初から予想できたシナリオだったので「ふーん」で終わりでした。もっと濃くしてほしかったかな、
話の構成が良くない
英国政府が50年秘匿し続けた、天才数学者の話。コンピューターや、今ならスマホなんかは彼がいなければ無かったかもしれない。
しかし題材に惹かれたものの、観てみると淡々と話が進み、たいした盛り上がりもなく、当然、戦時下における諜報線のようなサスペンス的な面白さなんかは無い。
かと言ってヒューマンドラマとしても伝記物としての面白さも無く、主人公の自分語りで多少のバックグラウンドや生き様は伝わるんですが、周りやトラウマと戦っているのか何なのかよく分からない。
アカデミー賞で脚色賞を受賞した作品の中でも好きになれないものはありましたが、これはその一つかなと思いました。
キーラ・ナイトレイは相変わらず華があり、演技も上手いしキャラクターも魅力的だが、ラブストーリーでも無いのであまり機能していない。
ビューティフルマインドや博士と彼女のセオリーの様に、似たような題材でもあざといくらいのドラマティックな話の方が個人的には良いかなと思いました。
知られざる史実
「アメリカン•スナイパー」に続き、戦争に纏わる史実が描かれた本作を観賞しました
「アメリカン•スナイパー」は160人を射殺、祖国を救ったとして英雄扱いをされる一戦士の実話ですが、本作は彼の功績により戦争を2年縮め、かつ数千人の命を救ったとされながらもその事実は闇に葬られた天才数学者のストーリーです
非常に重い映画でした
祖国のために懸命に生きた彼の人生が切なくてなりません
最期は自死となっていますが、遺体の傍には毒がべったり塗られたリンゴがあったとも言われています
彼の人となりがきちんと描かれていて(今で言えばコミュ障)感情移入しやすく、序盤からストーリーに引き込まれます
彼の功績が後のコンピュータの基礎となっていることを念頭に置いて観賞するとより彼が身近に感じられると思います
私は「アメリカン•スナイパー」の主人公も本作の主人公アランもどちらも戦争の犠牲者だと感じました
どちらも祖国を守るために選んだ道だとすると哀しすぎます
是非「アメリカン•スナイパー」も併せて観賞して下さい
素晴らしくも悲しい話
ベネディクト・カンバーバッチ、うまっ!
キーラ・ナイトレイ、目が怖いっちゅうかキツい…けど美人の目やねぇ~
内容はドイツの最高暗号機エニグマの解読に立ち向かう数学者の話
今…警察に目をつけられている大学教授
昔…エニグマ解読と、解読後の母国(イギリス)・ドイツ・ソ連への対処
もっと昔…学生時代に同性の同級生への恋心
の3時代
謎解きでもなんでもなくマイノリティがテーマ
最初に言っておくとこの映画は謎解きとかどんでん返しとかそういう映画じゃないです。
伝記です。
マイノリティという言葉は劇中に一度も出てきませんがこれがこの映画の軸です。
アランは同性愛者で恐らくアスペルガー症候群の天才数学者。マイノリティという言葉そのものって感じ。
そんなだから最初は鼻つまみものなんだけどジョーンというもう一人の天才と出会って彼女の助言もあってか変わっていく。
アランの台詞の端々に人をバカにするようなものがあることからわかるように、アランは自分と同等以上の頭を持った人間じゃないと相手にしないんだろう。
結核で死んじゃった友達とかジョーン位だったんじゃないかな。
だからジョーンの説教も時間の無駄と言わずに聞いて、ちゃんとリンゴを買っていった。微妙なジョークも覚えて笑
で、友人関係は何となく順調。
エニグマを解読してからが問題だった。
アラン達はエニグマを解読されたことをドイツに悟られないようにまず、500人の市民を見捨てた。その後もちょくちょく見捨ててる。
国家という枠組みの中にある、ある種のマイノリティを見捨てちゃった。
正しい決断だし、結局は良いことなんだけどカフェの窓から見える足を無くした兵隊さんを見るジョーンの目はちょっと悲しそうだった。
戦争に勝利した後、MI6の人に全ての証拠を燃やすように言われる。
もちろんこれはアラン達の功績も全て燃やすことになってしまう。
でも彼らがなにも言わずに従ったのは国家のためだから。
国家のために市民を見捨てた彼らにはなにも言えなかったんだと思う。
その後、みんな別々の人生を歩く。
アランは一人でコンピューターの改良をしていた。
同性愛の罪で起訴されたアランの元をジョーンが訪ねる。
彼女は"普通"を手にしていた。
アランはそれを羨ましそうに言った。
ジョーンは、「普通を手に入れられたのは普通でないあなたのお陰」とアランを称えるけど、昔みたいに「私達は普通じゃないけどこれも悪くないよね」っていうような同情はしなかった。
ここが個人的に一番悲しかったなぁ。
アランは本当に孤独になっちゃった。コンピュータールームの電気を消す最後のシーンに、過去の友達とコンピューターを重ねていたけど結局孤独と気づいてしまったアランの寂しさを感じた。
そして孤独のまま自殺した。
それにしても彼の功績が公で称えられるようになったのが2013年っていうのがびっくり。
映画にもなってアランもやっと報われたかな。
この映画は華麗なるギャツビーみたいな自分語りで過去の回想みたく進むんだけど、それに気づくのが遅くて、こんがらがった。
僕の頭が弱いせいなんだけどもうちょっと分かりやすくしてほしかった...
ので星4で!
でも内容は本当に良かった。
切なさが後を引きます。
暗号解読の話が中心かと思いきや、人間ドラマ。
マイノリティに生きづらさを感じながらそれでも自分の道を突き進む主人公。
まわりと対立しながらもやりとげた偉業は誰にも知られることはなく、そしてその後の人生は孤独で悲しいものとなる。
カンバーバッチの青く深い色の瞳が印象的。
強い意思のなかに、あんなにもさみしくてあんなにも悲しい心を表現できるこの人は本当に凄い役者だと思った。
見終わったあとも切なさが尾を引いた。
ドキドキしない興奮感
ポスターは地味だよね。
予備知識なしにクチコミだけで観に行った。観に行くまではSF系だと思ってた。
ところが軍事スパイものだった。
なぜか、期待していなかった邦画『ジョーカーゲーム』を観に行こうかなって思っちゃうぐらい面白かった!
普通のひとは普通のことしかできない。
普通のことをしているのが一番という考えが一般だった(今もか?)時代にいろいろな個性(←適切な言葉とは言えない)出して結果を出した伝説と言える実話だった。
今みたく、まだ多くの個性を受け入れてる風潮になっていたら、他にも凄いことが起きていたんだろうな。
あ、別に普通のことが悪いってわけではないよ。
普通のひとがいるから、偉業を成し遂げれるひとがいるからね。偉業を認めるのは普通のひとだし。
とりあえず、否定から始めるのはやめよう!人物査定も映画鑑賞も。
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