「栄光なき天才」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 ヒートこけしさんの映画レビュー(感想・評価)
栄光なき天才
アカデミー脚色賞も納得の傑作。栄光なき天才アラン・チューリングの切ない生涯に冗談じゃなく心震えた。世界を変革したのは狂気的なまでの合理性だったのか…「あなたが普通じゃないから世界はこんなにも素晴らしい」なんて美しい言葉だろう
狂気的なまでに合理的なチューリングだがそのセクシャリティは—社会そのものがホモフォビアだった当時としては—不合理なものだったという皮肉。それにしても天才で変人でゲイの役を演じるベネディクト・カンバーバッチって…まさしくみんなが観たかったカンバーバッチ!
『イミテーション・ゲーム』を観て浮かんだのは「B-BOYイズム」宇多丸のヴァース。「心込めて描く繊細なタッチ 栄光なき天才たちに捧ぐ僕からの鎮魂歌」
アカデミー賞授賞式でのグレアム・ムーアのスピーチの真意がようやくわかった。世界を変革したアウトサイダーに自らを重ねたのね。「あなたが普通じゃないから世界はこんなにも素晴らしい」とはムーアがチューリングと自分自身にかけた言葉だったのかもしれない
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