「数学が苦手でも大丈夫」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 えのきちさんの映画レビュー(感想・評価)
数学が苦手でも大丈夫
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』を鑑賞。
1939年、イギリスはヒトラー率いるドイツ軍に宣戦布告し第二次世界大戦が開幕。
イギリスの天才数学者アラン・チューリングはドイツ軍が誇るエニグマ暗号の解読に挑む。
エニグマ暗号は10人の人間が24時間働き続けても2000万年かかると言われる難問。しかもドイツ軍はその暗号を毎日0時に変更すると言う。
アカデミー賞8部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した本作、感想としては素晴らしい作品であった。
実話を元にしており、50年間イギリス政府が隠し続けたとしているこの事実。凄まじいとしか言いようがない。
戦争映画でありながら、ドンパチシーンはほとんどない。しかし、終戦を2年以上も早め、1400万人以上の犠牲者を出さずに済んだと言われるほどの貢献度は作品を観れば納得。エニグマ暗号という一見難しそうなテーマだが、数学が得意でない方にも楽しめるように実に分かりやすく作られている点も良かった。
鑑賞前は暗号を解くまでを描いた作品かと思っていたが、解いてからの方がはるかにドラマチックでこちらが本筋となる。詳しくは書かないが、終盤の展開が実に切なく胸を打つ。
同じ戦争(時代は異なるが)を描いた作品でも「アメリカン・スナイパー」とは切り口は全く異なるが、今作も傑作である事に変わりはない。
グロいシーンなど全くないので、戦争映画が苦手な人にも是非ご覧いただきたい作品である。
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