劇場公開日 2015年3月13日

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「「コンピュータの父」と呼ばれるアラン・チューリングの物語」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 安川 大仁(やすかわだいじん)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「コンピュータの父」と呼ばれるアラン・チューリングの物語

2024年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

安川大仁(やすかわだいじん)です。
アラン・チューリングは「コンピュータの父」とも呼ばれる数学者。

彼が居なかったら今のような情報化社会は存在しなかったでしょう。
GAFAMのようなIT企業も存在せず、数多くの事業家や天才集団が居るシリコンバレーという場所も存在しなかったはず。
もちろんSE(システムエンジニア)という仕事も無く、日本でも堀江貴文さんや三木谷浩史さんのような若手経営者も世に出なかったことでしょう。

彼はコンピュータが存在しなかった時代に計算機械「チューリングマシン」を提唱したのみならず、「考える機械」すなわち今で言う「人工知能」という着想も持っていました。

それくらい時代を先取りした数学者であるアラン・チューリングが主役の映画。
第二次世界大戦時にドイツ軍が誇った世界最強の暗号機「エニグマ」の解読に挑む天才の物語。

第二次世界大戦時、チューリングはエニグマの解読チームとして海軍に加わります。
彼は独自の方法で暗号解読装置を設計し、リーダーとなります。
そしてチューリングとチームはエニグマの解読に成功し、何百万人もの命を救いました。

ですが第二次世界大戦が終了した後、事態は急変します。
空き巣に入られた数学者チューリングの自宅を捜索した警官たちは、彼の奇妙な装置とその態度に疑問を抱き、彼がソ連のスパイではないかと疑います。
そして捜査の過程でチューリングの同性愛嗜好が発覚し、彼は有罪判決を受けます。

当時は同性愛に対する偏見も強く、戦争の英雄が一瞬にして犯罪者となりました。
集団思想というのは恐ろしいものです。

この映画は天才数学者のチューリングを描いているだけではなく、彼の人間性と葛藤も描いており、本当に考えさせられる作品でした。

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安川 大仁(やすかわだいじん)