「歴史の影で」イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 SpicaMさんの映画レビュー(感想・評価)
歴史の影で
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コンピューターの父であるチューリング博士が、こんな重い仕事を請け負っていたとは知らなかった。
彼の貢献でヒトラー率いるドイツ軍の暗号が解読可能になり、ざっと1400万人の人命救助につながったことが、50年間秘密にされていたのもすごいが、MI6が首相チャーチルをうっすら裏切っていたという点に一番驚いた。さすがは英国。
アスペ気味の博士が、気を遣わないで付き合える女性にせっかく出会えたのに、それまでの自分の性向から普通の結婚生活を送れないかもしれないという不安もあったとはいえ、国家レベルの諜報戦から彼女を守るため、わざと嫌われるように振る舞うシーンは不憫だった。
でも、もっと辛かったのは、教授が同性愛で検挙されて取り調べを受けていて、そこでこの経緯を語っていたのだということが観ている私にも明らかになり、しかも、現場で全てを聴いた善良そうな刑事が、教授のことを機械ではなくて人間だって言ってくれなかったことだ。普通の人には理解を超える秘密ばかりだったから、判断出来なかったのだろうけれど。
この物語の組み立て自体も秘密めいていて、史実も併せて、見応えがあった。
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