「何かが足りない・・・。」ビッグ・アイズ bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
何かが足りない・・・。
非常に判りやすい映画です。クリストフ・ヴァルツ扮する夫の画家がエイミー・アダムス扮する妻の画家が描いた作品を自分の作品であると喧伝し、一時的に有名人とはなったものの、最後には嫌気がさした妻から告発され、破滅していく過程を描写した映画なのです。最大の見せ場は法廷でクリストフ・ヴァルツが被告と証人の一人二役という芝居を打って出て、見事に自滅していくところでしょう。しかし、何かが物足りないのです。クリストフ・ヴァルツの壊れ方が何とも予定調和的なのです。描き方が大人しいのです。いつものティム・バートンのように破目を外したところがないのです。もしかして、この映画を撮っているときティム・バートンは体調が優れなかったのかもしれません。映画からエネルギーが発散されていないのです。
そうは言っても大きな目の子供を描いた夥しい絵画はなかなか、素晴らしいものがありました。
何かが足りない・・・。この「何か」が何であるのかはティム・バートン自身が一番、良く知っている筈なのですが・・・。
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