「傑作だ」ハミングバード 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
傑作だ
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ジェイソン・ステイサムがアル中のホームレスでありながら実は殺人マシンという非常に漫画的な設定で、ド派手なアクションシーンを期待したいところなのに、文学的とも言ってもいいくらい抑制された地に足の着いた映画だった。例えば敵をガラスに向かって叩きつけると、普通のアクション映画ならガラスがめちゃくちゃに割れる。ところが、地味にガラスがたわむくらいでぶつかった衝撃がむしろとても痛そうだった。
別れて暮らす妻子に顔向けできない男の内面をとても丁寧に描いた傑作だった。
(追記)
映画秘宝でレビューを書かせていただいた際にサンプルDVDで見たのだが、劇場公開されたので映画館で再見した。
初回はステイサムを中心に見て、男がホームレスからギャングに再生していく様子が素晴らしく感動して、あまり気にならなかったのだが、修道女の彼女がけっこうキャラが薄くて、見ていて退屈した。体操のコーチに犯されたトラウマで修道女になった話やバレエに憧れている話もとってつけたような感じだった。表現に自信がないからそのようにこってりと描写してしまうのだと思う。顔はきれいで行動も立派だったけど、接すると偉そうだし文句が多くうざい女だった。
それに比べると、ステイサムの妻はコンビニで缶詰を投げつけたり、家主にフェラをしていることを愚痴ったり場面は少ない割にキャラが立っていてよかった。
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