「うーん…」ハミングバード テツさんの映画レビュー(感想・評価)
うーん…
個人的には合いませんでした…
ジェイソン・ステイサム主演作にしてはアクション地味めということを差し置いても、全体的に物語としては悪い言い方をすればとっちらかってるし、良い言い方をすれば行間や余地が多い作品ではないかと。
戦争という闇で心の傷を負った男の立ち上がる様、シスターとの淡い心の通わせ、闇社会に生きるハードボイルドな佇まい、別れた妻子との関係性、そしてイザベルという少女を殺したヤツへの復讐…これだけの要素を詰め込むあまり、行間を読み解く力というか一つ一つの描写が控えめなので全体的に入り込めない
想定していた作品と違う(予告編でのイメージ等も含めて)作品のトーンが予想よりも違ったことやこういった渋めのハードボイルドかつ行間を読むような作品に馴染みがないためかなかなかキツかったなぁ…
ジョセフは戦場での罪からロンドンへと逃げ込む。そこで出会った少女が殺され復讐へと動き出す。その中、シスターとの淡い恋やかつての妻と娘などの関係も次第に変化していく…
冒頭では軍部のドローンに映される映像からジョセフの経緯が語られたり、ジョセフが鳥の幻覚を見るなどタイトルの要素を感じさせるが、ここまでで後はタイトル部分は完全に薄れる。
主軸はあくまでもロンドンでのジョセフ(ジョーイ)の生きていく様だ。
あらすじで語られる殺された少女イザベルの為の復讐という要素が大きく扱われる感じでもなく、イザベルとの関係性も大して描かれない(わざとか?にしても物語に入ってこないんだよなぁ)
勝手に入って勝手に人の家に住み着いた割には疑われもせず、アッサリとしてるし、シスターとの関係性も中途半端。心の傷を抱えたもの同士、引かれ合いながらももどかしい関係性なのだろうが…
まあ、それは概ね良かったので良いでしょう。
問題はそれ以外の要素-復讐や過去の罪、別れた妻子との関係などの要素が薄い(わざとか?)
終盤で復讐が呆気なく済むのはかまわなないが、そこまで駆り立てたのはなんだったのかと言いたいし、軍から逃げたというのも悪夢や過去の吐露などで語られる程度、妻子に至っては突然出てきて突然語られたぐらいだ。闇社会で生きる彼が見たロンドンの闇に対しても、最後の手紙で粗方密告したみたいな程度…と全体的に要素としてはあるのだが、如何せん一つひとつがサッとしか触れられてないので入り込めない。
想像させる余地を残している、男の秘める部分を小出しに、あえて描き切らない的な演出なのかもしれないが、やはり要素の多さが目立ち不足感が否めない。
ジェイソンステイサムという要素で想像してたものと違うということを差し引いても、どうにも中途半端な気がした。