繕い裁つ人のレビュー・感想・評価
全9件を表示
わからなくなるんじゃないかしら、本当に好きなものが。
映画「繕い裁つ人」(三島有紀子監督)から。
「しあわせのパン」「ぶどうのなみだ」に代表される、
三島有紀子監督らしい映画、という表現がピッタリの作品。(笑)
言い方を変えれば、作品の出来、不出来ではなく、
私のアンテナに引っかかる台詞が多い、ということ。
そんな中から選んだ、今回の一言は、
図書館で「服の本ばかり」選び、勉強している男性に、
洋装店の2代目店主・市江さんが、諭すように呟いた台詞。
「そんなにあったら、わからなくなるんじゃないかしら、
本当に好きなものが。」の一部。
服に関しても、専門の知識は、ある程度必要だし、
いろいろなジャンルの服を試してみたくなるのもわかる。
だけど、情報がありすぎて、あれもこれも・・と試していると、
本当に好きなものが見えなくなってしまうわよ、と理解した。
これは、私たちにも言える。
自分が一生続けたい、分野、ジャンルは見つかったけれど、
その中でも何をしたい、というものが見つからず、
とにかく関連書籍を読み漁るけれど、余計にわからなくなる。
「広く浅く」より「狭く深く」の方が、人生が豊かになるわよ、
そう教えられたようなフレーズだった。
残り少ない人生、もう雑学はいらない。
そろそろ、一つのことにに集中しようっと。
おしゃれをしたくなる
たんたんと 服を作る主人公の姿が良かった
服は自分を表現するもの
服への愛情が 主人公や まわりの人々をつなぎ笑顔になる
ほんわり 淡々とした作品でした
主人公の女性と 男性の関係がその後どうなるのか
気になります
ちょっと中谷美紀やり過ぎ?!
飛行機の中で観た邦画!
早送りできる訳ではないのでジックリ観たけれど内容は良い。
服が好きな私は、大事に良い服を着ることを改めて学ばせてもらいましたが、中谷美紀の演技がチョットやり過ぎな気がしてしまった。
でも頑固ババア役としては悪くないのかもしれませんが…
戸田恵子は良かったですね。亡くなったお爺ちゃんの服の変化も思い出すと胸がキュンとします。主人公がウェディングドレスを繕う所は…偶然あの障害者の妹と会うのも…まぁ運命とは、そーゆー偶然が重なって必然となり運命になるのでしょうね。
頑固の応用。
相変わらず現実離れした世界観が目立つ三島作品ながら、
今作は原作の効果もあるのだろうか、観辛さはなかった。
確かに夜会のシーンなどはキレイだけどエェ?っていう感は
否めないが、美しさとは浮世離れして何歩なのかもしれない。
いわゆる頑固洋裁職人の話なのだが、主人公・市江は祖母から
引き継いだ志で一点物のその人だけの洋服を作り続けてきた。
彼女の仕事に惚れこんだ百貨店の青年がブランド化を提案し、
毎日足繁く説得に通ってくるのだったが、市江は相手にせず。
そうこうしているうちに、彼は転勤、老舗の店も閉店となり、
市江の心にも変化が芽生え始めるが…。
お伽話感はあるがこういう頑固職人は多方面で活躍している。
物作りの職人さんといえば確かに一種の拘りを持つ人が多い。
ビジネスとオリジナルの鬩ぎ合いが生活力に反映されるのは
成功者とそこそこ者の違いなのかなぁと思うが、今作の市江
に至っては、ほとんど常連客に支えられているのが明らかで、
誰だって生活にさえ困らなければ好きな仕事をやっていたい。
ただ人間、時代が移り変わればどっかで風穴を開けてくれる
ような自身の変化を望んでいる面もあるんじゃないだろうか。
デザイナーたちがモデルしか着られないような新作を次々と
生み出すのだって、日本のJKが新しいファッションセンスを
世界に発信するのだって、やっぱりそれは活きている証しだと
思えるのだ。市江は祖母から受け継いだ遺志が自身の生きる術
と心得てきたが、その技ありきで自身を羽ばたかせることに
ようやく気付いた。それを気付かせてくれたのが青年とその妹
だという、漫画ならではのロマンティックでファンタジックな
展開に後半の仕事が心地良い。基本が確かなら応用もこなせる。
(自然光の美しさや道具の美しさ。あのミシン家にもあったなー)
静かに良かったです
最初は退屈かなーと思ってしまいましたが、どんどん作品に魅了されていきました。中谷さんの美しさ、衣装の美しさ、ストーリーの美しさ、、
洋服や物が安く、豊富で、手に入れやすい今の日本には大切な気持ちだよなーと思いました。
また、先代の想いを乗り越えて、自分のやりたいことを切り開く勇気と情熱、こういうの大事ですよねー
私もがんばろ!っていう気持ちにさせられます。
邦画ですね
女作者、という感じ。苦労して努力してる行き遅れ女に若い熱意あるイケメンが何度も来訪して技術を褒めちぎる。女もそれにだんだん感化されて、いいなと思い始めたところで、男が他の女性と楽しそうにしているのを見つける。実はそれは妹で。…はいはい、と思い冷めてしまった。
一着への手間をもっと見たかった。残念。
冒頭で見せた一人じゃ生きてけないどじなイチエが、繊細な高級作品を作るのなら面白かった。残念。
いい映画でした。
生き方といっても、人それぞれ、永遠のテーマ。
なので、数学のような答えがない。
川の流れを見るように、さらっとストーリーが進むのだが、地味な上に、起伏がやや乏しいので、その辺は、賛否が分かれるかもしれない。
本作は、数々のシーンや出演者の表情を含め、自然な演技かつ、丁寧に、よく出ていたと思う。
あの夜会でのおじいちゃんが、孫娘に言ったセリフ。
今の世の中に足りないような気がしてならない。
ものを大切に
繕い裁つ人、見てきた。
静かで凛とした市江さんが
迷いや葛藤もありながらそれでも真っ直ぐに進む姿が、眩しくて羨ましかった。
好きなものとだけ生きる潔さがほんとに憧れる。
つくる服もひとつひとつの想いが溢れていて撫でる表情や紡ぐ言葉に現れていた。
それぞれが好きなもの大切なものと真摯に向き合っていく
それは些細な日常を大切にしていくということ。
そんなことを考えたいい作品だった。
全9件を表示