「とても、心に残る作品でした!」花宵道中 SNICEさんの映画レビュー(感想・評価)
とても、心に残る作品でした!
先ず初めに。。。
XX賞受賞作品を何作か読んで、花魁物の舞台を視覚的に
見たく、たまたま本作品をDVDで鑑賞しましたので、
特に安達祐実さん及び原作のファンでもないです。
作品的には大まかに分けると、主役の性別の違いなどございますが、
名作Leonと共通する、
「恋に全く心動くことなく裏稼業を淡々と熟して来たヒロイン(ヒーロー)が
愛してしまったのは、復讐を心に誓う”愛してはいけない相手だった」
というストーリーだと思います。
総評を先の申し上げますと、
この手のストーリーは非常に心を揺さぶり、安達さんの演技も素晴らしく
これから劇場でなかなか見れないと思いますが、DVDの旧作ならプライス的にも
是非、見る価値はあると思います!
その上で全体的に気になった点を申し上げますと、
原作を存じ上げませんが製作費の関係か
・尺が少し短い(短すぎる?)
・遠景のカットが昭和40年代のお茶の間時代劇のようなチープさ。
が全体的に気になりました。
次に細部で良かった点と気になった点を挙げます。
良かった点
①安達さんの少しロリっぽくも見えるところが、
吉原しかしらない花魁と重なり、
演技的にも非常に良かったと思います。
やはり、美形は映えますね~
②花魁達の伸長差についてですが、
賛否両論あると思いますがわたしくは良かったと思います。
たしかに凸凹な感じはしますが、
お八津を含めて、他の女郎さんの着物特有の美しいのラインは、
小柄なヒロインのみでは出せないと思われ、
魅せる意味でも必要と感じました。
③津田寛治さんの演技は流石ですね~
尺が短いと感じる構成で、津田さんの個性的な演技なくして、
しかっりとした骨格は作れなかったと感じます。
アッパレです。
気になった点
①人工光についてですが、
折角、スモークなども使って丁寧に作っているのですが、
状況や背景とマッチしていないシーンがあり、
状況を錯覚する場面がありました。
色温度や硬さなのでわたくしの再生環境も問題でしたら、
悪しからずm(__)m
②安達さんは確か首の角度が向かって右傾く傾向にあるかと
思います。
シンメトリーな道中直前に傾いた時にはドキッとしましたが、
流石にメインシーンでは垂直にビシッと決まって安心しました(^^
最後に原作を知らない者の個人的な要望ですが、
ラストに近い朝霧が簪と横たわるシーンの前に、
”セピアなイメージで朝霧が年季明けして遊郭を明るく皆に見送られ、
旅路の末に夕暮れに橋の向こうにいる半次郎に笑顔で再開するシーン”
で繋いで頂けたら、何か安堵感もあり、より感情投入出来たかと思います。
→あくまで個人の要望でm(__)m
重箱の隅を楊枝でほじくるような事を申し上げましたが、
全体として綺麗の纏めて素晴らしい映画と思います。
ラストの回想シーンも良かったです!
是非、ご覧ください(^^)/~~~
長文でm(__)m