バンクーバーの朝日のレビュー・感想・評価
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嫌いじゃないのに低評価
まずまずの満足です。
試写会にて観賞したのですが、実際にお金を払って観賞となると、辛辣な評価です。
出演者達はいい演技をしておりました。
巧拙のバラツキ感が少なく、観賞中は違和感なく世界観に浸る事が出来ました。
地味ながらも、仲間と勝利に尽くすキャプテン像を、妻夫木は抑制した素晴らしい演技で魅せてくれます。
一人一人の個性も自然で、なんだか昔からの友人であるかのような錯覚を覚える程です。
最後までぶれない巧みさは、好感が持てました。
ストーリーは起伏が少なく、物足りないですが、王道で入り込みやすいです。
マイナスなのは上映時間が長い事です。
不要と思えるシーンが多く、全体のテンポを悪くして作品の魅力を打ち消しています。
質を損ねなければ、本来気にしないのですが、本作品に関して言えば、盛り上がった気分に水を差されている様でたまりません。
せめて時間をかけるのなら、人物構築の掘り下げに費やして欲しかった。
チーム内の軋轢だったり、転機の経緯だったり、キャプテンとしての孤独だったり…
ああ…もったいない…
もう少し短くして肉付けされていれば、傑作だと思います。
個人的には、嫌いじゃないだけに悔やまれます。
ああ…もったいない…
コテコテも、たまには良いかもねって方にオススメです。
全く盛り上がらない
『バンクーバーの朝日』を試写会にて観賞。
昨年「舟を編む」で日本映画賞を総ナメにした石井裕也監督の最新作。
1900年代初頭、カナダのバンクーバーに実在し、2003年にカナダ野球殿堂入りを果たした日系カナダ移民の二世を中心にした野球チーム「バンクーバー朝日」の物語。
映画の内容については公式ウェブサイトに全て記載されているので、読まれた方はあえて劇場に観に行く必要はない。
いくら実話をベースにしているとは言え、70年以上前の話を知る観客は少ないのだから公式サイトでそこまでネタバレする必要はない。
と言うのも、観客は予告や公式サイトに記載されているストーリーをどれだけドラマチックに魅せてくれるかを期待して劇場に足を運ぶのだ。それなのに今作は上映時間130分かけて公式サイトのあらすじをなぞるだけなのである。
朝日が活躍し始めるまでは退屈だし、活躍し始めてもバントを中心とした地味な展開で盛り上がりに欠ける。
元々の素材が時代背景として、カナダにて日本人が差別され過酷な労働と貧困を強いられている現実という地味なものなのだから、映画にするならもっとエンターティメント色を強めなければならない。
元々石井監督は派手な作風でない事は承知しているが、そう考えると素材にはアンマッチであったという他ない。
巨額を投入したバンクーバーのセットや、映像の雰囲気が良かっただけに、一向に盛り上がらない演出が残念な作品であった。
キャストには上地雄輔や亀梨和也など野球経験者を集めリアリティを追求しようとしたようだが、それ以前の問題である。
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