バンクーバーの朝日のレビュー・感想・評価
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全く盛り上がらない
『バンクーバーの朝日』を試写会にて観賞。
昨年「舟を編む」で日本映画賞を総ナメにした石井裕也監督の最新作。
1900年代初頭、カナダのバンクーバーに実在し、2003年にカナダ野球殿堂入りを果たした日系カナダ移民の二世を中心にした野球チーム「バンクーバー朝日」の物語。
映画の内容については公式ウェブサイトに全て記載されているので、読まれた方はあえて劇場に観に行く必要はない。
いくら実話をベースにしているとは言え、70年以上前の話を知る観客は少ないのだから公式サイトでそこまでネタバレする必要はない。
と言うのも、観客は予告や公式サイトに記載されているストーリーをどれだけドラマチックに魅せてくれるかを期待して劇場に足を運ぶのだ。それなのに今作は上映時間130分かけて公式サイトのあらすじをなぞるだけなのである。
朝日が活躍し始めるまでは退屈だし、活躍し始めてもバントを中心とした地味な展開で盛り上がりに欠ける。
元々の素材が時代背景として、カナダにて日本人が差別され過酷な労働と貧困を強いられている現実という地味なものなのだから、映画にするならもっとエンターティメント色を強めなければならない。
元々石井監督は派手な作風でない事は承知しているが、そう考えると素材にはアンマッチであったという他ない。
巨額を投入したバンクーバーのセットや、映像の雰囲気が良かっただけに、一向に盛り上がらない演出が残念な作品であった。
キャストには上地雄輔や亀梨和也など野球経験者を集めリアリティを追求しようとしたようだが、それ以前の問題である。
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