劇場公開日 2016年7月30日

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「暗いムードはお腹いっぱい。」ターザン:REBORN 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5暗いムードはお腹いっぱい。

2019年3月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

単純

興奮

TVで初めて観たんですが、イマイチ乗り切れなかったです。

純粋に娯楽映画に徹してないのがまず問題で、何というか“ダークナイトの呪い”を引きずり過ぎですね。『ターザン』(1999)のその後みたいな話は遊びが効いてますが(これはワーナー作品なので、ディズニー版とは無関係です)、喪失感とか暗い要素がいちいち出てきて正直邪魔です。暗くすれば人間ドラマになると思っているのかな?

脇役キャストも余計だった。ジャイモン・フンスーは「ブラッド・ダイヤモンド」で非常に好きなんだけど、この手の役はまだ無名の役者にチャンスを与えるべき。英国首相でチラッと出てきたジム・ブロードベントも然り、有名キャストが大した出番も無いのに出るのは非常に迷惑。うっとおしいし、キャラでは無くて役者としてしか見られないから。

ただ主役は良かったです。アレクサンダー・スカルスガルドのターザン役は意外とピッタリ。肉体美の説得力や陰影を帯びた視線、ジャングルに戻った時の子供のような喜びだったり(特に仲間と再会した時見せてくれたあの笑顔)、二つの世界の狭間に置かれた心理描写が的確でした。マーゴット・ロビーのジェーンもクラシックな感じが似合いで、同時に度胸も腕っぷしも強くなってて爽快でした。ただ終盤救われるだけの存在だった気はしましたが(「隠し砦の三悪人」の長澤まさみみたいでした)…。

ベストはこの方ジャクソン叔父貴!サメ(「ディープ・ブルー」)からコング(「キングコング 髑髏島の巨神」)にアベンジャーズと、偉大な経歴お持ちの彼が、ここでは何とあのターザンとバディで悪辣風情を成敗!正直叔父貴の活躍だけで、ご飯三杯行けますね!ヒーローなのに観客サイドの一般人なとこもニクイ(特に悲鳴を上げるところ)w

まあこんなまとめです。二度みたいとは思わないし、こればっかりはディズニー映画を見習うべきだと思います。一応ディズニーアンチですが…。

平田 一