劇場公開日 2016年7月30日

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「アナタの中のターザンが躍動する」ターザン:REBORN 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アナタの中のターザンが躍動する

2016年8月1日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

同日公開の12年ぶりの本家怪獣王に興味も話題もすっかり持っていかれてしまったが、言うなればこちらも“シン・ターザン”。
だってあのジャングルの王者伝説が過去の有名な話となり、人間社会に戻って英国貴族になってるんだもの!
グレイストーク卿として愛する妻ジェーンと違和感無く平穏な生活を送る元ターザン…に違和感。
別にあのターザンが…って訳じゃないが、かつて狼に育てられたという少女は人間社会に戻るのに相当な苦しみがあったと聞くが、その苦しみなど微塵も感じさせないグレイストーク卿。
そんなに容易く人間社会に戻れるんかい!
なので、序盤は退屈。
ジャングルに戻るまでの経緯も国と人間のエゴに利用、ジェーンが誘拐される展開はお決まりとは言え、共々安直。ここら辺、ちと捻る事出来なかったものか。

が、ジャングルに戻ってからはテンポアップ。
文字通り、グレイストーク卿の中の“ターザン”が覚醒。
ターザンと言えば!…の蔓から蔓への大ジャンプは最新技術を駆使し、躍動感たっぷり。ターザンごっこをしていたかつての少年たちには堪らんでしょう。
ゴリラとの肉弾バトルは野生の力がほとばしる。
今時ア~アア~!…って叫んだら失笑モノと思っていたら、要所要所の盛り上げとして効果的に使われていた。

モデルばりの端正なルックスの“イケメンターザン”、アレクサンダー・スカルスガルド。
ワイルドさが足りない気もするが、その肉体美は同性でも惚れ惚れ。
“ハーレイ・クイン”がジェーンを演じるのだから、単なるお飾りヒロインになる筈が無い。気の強さがマーゴット・ロビーの美貌を際立たせていた。
「ジャンゴ」の時とは逆で、“いい奴”サミュエル・L・ジャクソンと“悪い奴”クリストフ・ヴァルツ。
サミュエルはもはや余裕のユーモアでナイススパイス、ヴァルツもステレオタイプな悪役をしっかり請け負い、改めて映画は名バイブレイヤーで支えられているなぁと実感。

ロケーションは雄大。
リアルなCG動物については「ジャングル・ブック」を観た時語りたいので、こちらでは控え。でも、負けてはいない。
一つ気になったのは、編集。
現在パートと過去パートが時折交錯するのだが、現在パートと思ったら急に過去パートになったり、その反対もあったり、ちょっとメリハリが悪かった。

特別凄い面白いって訳でもなく、凄いつまらないって訳でもなく。
か、せっかくの夏、開放さと躍動するアクションを見たいならちょうどいい。

それにしても、地元の映画館で吹替で上映してなくて良かった…(^^;

近大