劇場公開日 2015年4月11日

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「真犯人を当てる謎解きのミステリーではない」ソロモンの偽証 後篇・裁判 エンドルフィンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0真犯人を当てる謎解きのミステリーではない

2015年4月19日
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鑑賞方法:映画館

酷評されている方が多いようですが、私はそれほどひどいとは思いませんでした。無論よくできた小説と比較すれば、小説に軍配が上がるのは当然のことですが…。ミステリーとはいっても、もともと真犯人が誰かという謎解きのミステリーではないだけに、そこのあたりを少しミスリーディングをしたことが影響してるのでしょうね。

ただ、原作になかったことと、原作から割愛された内容については異論がありますね。もともと藤野涼子が柏木卓也から「口先だけの偽善者」と罵られる話は原作には全くありません。涼子の裁判にかける動機を説明するためでしょうか。また、原作ではほとんど登場しなかった三宅樹里の母親がやたらと出てきます。永作博美はすごく上手いのですが、物語の中では雑音になっています。さらに、野田健一にはもっと重要な役回りがあるのに残念です。あと、判決が出た後の話は余分ですね。

いずれにせよ、今後邦画を観ていて、あの時『ソロモンの偽証』にでていた俳優さんだね、ということが多くなりそうです。

エンドルフィン