「職人技!」ソロモンの偽証 後篇・裁判 ドラゴンミズホさんの映画レビュー(感想・評価)
職人技!
えてして小説を原作とした映画は不満が残るが、この作品は満足させてもらった。どだい宮部みゆきの人物エピソードの多さをすべて入れるのは無理だし、仮に入れたとしても映画としてはうまく機能しないだろう。
ヒロインを視点においた主軸のぶれなさと、よくぞ見つけ育てた子役たちの未熟ながらも印象的な演技が作品を成功させている。
監督含め制作人がそうとう工夫をして子供たちを心理的に誘導(あるいは追いつめ)したと思われる。大人側の俳優陣もその現場の空気に引っ張られたのだろう。紋切型のキャラクターはこの映画に存在しない。
現実にを生きるにつかねばならぬ嘘に傷つく人々の様は本当に涙を誘う。
惜しまれるのはエンディングテーマがU2の曲だったことだ。
曲の意味を知らなければ作品の世界観にあっていないと感じる。
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