「藤野涼子再発見」ソロモンの偽証 後篇・裁判 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
藤野涼子再発見
「おとな」でも「こども」でもない、中学生を主役にしたところが、この作品の最大のポイントです。「おとな」であれば、適切な対処や回避してやり過ごす問題を、この年頃では、かわす方法を持たず、真正面から受け止めてしまいます。「こども」であれば、傷つくことはあっても深く考えることができず、裁判などという実際的な手段には及ばなかったでしょう。その意味で中学生という設定は絶妙だと思えます。
生徒役の子らの演技が素晴らしい。この時期特有の多感さ、純粋さ、未熟さが圧倒的に伝わってきます。「おとな」の良識や欺瞞とも見事に絡み合って、彼らの演技を引き立てています。
この作品を見る「おとな」としては、彼らの傷つきやすい心情や、真実に立ち向かう勇気にまず素直に拍手するべきではないでしょうか。
「ひよっこ」に藤野涼子が出ているのを見て、見直してみました。
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