「どうしてそこで諦めるんだそこで」パッセンジャー うにさんの映画レビュー(感想・評価)
どうしてそこで諦めるんだそこで
他者レビューよりツッコミどころ満載となにかとSF考証のつたなさが目立つ作品でした。
宇宙船の自己診断プログラムやシステムは完璧ありきのAIの対応はさておき、不測の事態に陥った原因の冬眠システムについてどうしても疑問点がいくつか浮かんでしまう。
劇中でオーロラが入植惑星に到着後1年で地球に帰ると言っていたが大規模な施設が必要なのにどうやって再冬眠につくのだろうか?
おそらく入植惑星で冬眠用のプラントでも建てるつもりだったのだろう。にしてもそのための設備や機械部品はコンテナの中に入ってるのだから万が一に備えて宇宙船内で再冬眠できるような設計にしなかったホームシック社(違)の罪は大きい(でも宇宙船のデザインや内装は好きよ。ほんとあんなとこなら住みたいのよさ)。
クライマックスで真価を発揮する医療ポッドの科学力があってどうしてそれが出来ない…そのギャップにもやもや。
そしてその医療ポッドにより擬似的に1人だけ冬眠(代謝を低下させる)できると知った2人は結局使わない選択肢を選んだが、ちょっと待て、その擬似冬眠何回も使えないのか?
残り88年の航海を2人で1年ずつ交互に冬眠しあえば半分の44年の老化で入植惑星に着けるのではないか?30代の2人なら寿命ぎりぎりに間に合う可能性はないか?(そうすると1年に1回愛し合える織姫と彦星みたいなロマンスになっちゃうけど)
とまぁ結末をガン無視しながら悪足掻きのような考えにふけっていたが織姫と彦星のような刹那的な逢瀬より誰にも邪魔されない自由気ままな生活を選ぶよな普通。よかったよかった。と勝手に納得して帰りました。
とまぁSF考証のつたなさなんてのはこうどなえすえふがみたいおたくがぐちぐち考えることであって、ストーリー通りのターゲット層のカップルなんかにはオススメできると思います。
仮に自分がオーロラの立場だったら「人生を台無しにされた」「これは殺人よ」と憤ったままいられるか?
「自分が先に目覚めてたら同じことをしていたかもしれない」とジムを許せないだろうか?
鑑賞後に最愛の人と語り合ってください。隣にいるのが見ず知らずの他人でなくてよかったと思えるでしょう。
ちなみに私はレイトショーで鑑賞したのですが客が誰もおらずひとりぼっちという最高の映画環境でしたので星プラス1の評価です。