「気味悪さを30分でグルグル転がす、物足りないくらい世界観が引き立っている」世田谷区,39丁目 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
気味悪さを30分でグルグル転がす、物足りないくらい世界観が引き立っている
気持ちわりぃー。これ、褒め言葉。なんとなく浜辺美波の若かりし頃の作品があったなーなんて思いたって観てみた。
小学生二人を題材にしておきながら、人格が変わった世界のため、小学校に暴力を落とし込むという教育に悪い世界が舞台。その発想から描写に至るまでなんとも気持ち悪い。一段とそのアイデアにドン引きする。
そんな舞台で全うするのが、主人公の航くん。澪と出会うことで立ち向かうことを決めるのだが、短編故に展開は早め。しかし、この長さで上手く起承転結を見せている感じもあるので、意外と満足できる。しかも、浜辺美波が脱出を試みるという『約ネバ』感あふれる設定もひとつのポイント。サクッと観れるが、その中にも深い心の歪みみたいなモノがあって意外と好感。
この監督さん、これ以降目立った監督の活動はしていないようだが、大学で教えているっぽい。1つの才能が新たな才能を伸ばしていると思うと嬉しい反面、また別の作品も観たかったのにな…とも思う。
純粋に、「小学生役の浜辺美波が観れる」くらいな動機で観てもいいと思う。短編ながら上手くミステリーの気味悪さが出来ているのでオススメ。
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