「大味な映画」ジョン・ウィック スーパーリョウさんの映画レビュー(感想・評価)
大味な映画
王様のブランチで3が公開されるということでRIRICOがキアヌにインタビューしていて、スピード、マトリックスに次ぐキアヌの代表作との紹介だったので、JCOMで放送したのを録ってあった1を視聴。
この時点ではキアヌの役柄は伝説の殺し屋設定であるということしか知らない状態で映画視聴開始。
最初に言っておくけど私はキアヌの映画は好きだ。マトリックスやスピードは何度観たか覚えていない程だ。だからアンチではないということを冒頭でお伝えしておく。
まず、妻の忘れ形見の犬を殺されたというのと、大事な車を取られたから相手を殺すという動機がショボい。
どうせなら妻を殺された復讐とした方が納得がいくのに何故犬と車?ノンフィクションならまだしもフィクションなら幾らでも脚本変えれたよね?
伝説の殺し屋のはずが、冒頭でチンピラ相手に全く歯が立たないというのも???だ。
いくらブランクがあったとはいえ、元殺し屋なら家の中に人に侵入される可能性は絶対にあるはず。
なのに、騒ぐ犬に「トイレか?」などと気を取られ、全く無警戒で1階に降りるという行動が、本当に伝説の殺し屋なの?おとぼけもいい加減にしろ!と思いつつ映画を見続けた。
途中で撃たれたりして傷つくのは仕方ないにしても、伝説と呼ばれる割には弱い。
敵の車に吹っ飛ばされて、キアヌが気絶しているのに殺さずにアジトに連れていくあたりで興ざめ。
その直前に教会の神父は頭を撃ち抜かれて簡単に殺してるのに、なぜキアヌも簡単に殺さない?
他のレビューではアクションが最高とか言ってるけど、ジャッキー・チェンのアクションを見慣れた世代からすると、スピード感に欠けるし、ガンフーというアクションもぎこちない。
キアヌにアクションさせると、いまいちスピード感に欠けるのは以前と変わらない。マーシャルアーツの経験が長ければそんなことも無いんだろうけど、アクションシーンに対応するために映画撮影数か月前から付焼刃的に鍛えられたアクションは見ごたえが無い。(これってマトリックスの時もそういわれてたよね)香港のアクションより劣るのは仕方ないとして、韓国アクションの方がよっぽどスピーディーですよ。(オールドボーイとか悪女/AKUJOとか)
ウィレムデフォーが実は味方してくれてたという設定は良かったが、最後にボスにナイフで足を刺され「ああ~~~」と痛がるあたりの演技はあまりカッコ良くなかった。彼もそれなりの腕を持った殺し屋なら、ナイフで足を刺されたぐらいグッと堪えるくらいのカッコ良さが欲しかった。ウィレムデフォーの扱いテキトー過ぎない?もっといい演技すると思うけど?
女殺し屋がコンチネンタルホテルの掟を破ったとかで、5~6人に囲まれて一斉に撃たれて死ぬけど、囲って撃ったら相打ちになるだろ!殺しのプロなら絶対に仲間同士で相打ちになる配置にはならない。(RONINでロバートデニーロが言ってたでしょ!)そういう設定大事ですよ。
そして最後。銃なしでファイトの意味がわからん。
2人がそれぞれ凄腕同士ならわからんでもないけど、相手のボスは腕に自信が有る設定でも無いし。(リーサルウェポン4のかつて凄腕だったメルギブソン対ジェットリーとかね)
で、なぜか「また会おう」的な終わり方でボスのことを殺さない。なんで!なんで殺さん!
命を2回も守ってくれた親友を殺した奴なのになんで?それまで散々手下達を殺しまくってきたのにボスを生かしておく意味があるの?チャプター2に繋ぐためにはボスは死んでほしくないから?
ということで、全体的に設定が甘々の大味設定で、突っ込みどころ満載。
キアヌもここまで落ちたかと思わせる内容。
でも気になるからチャプター2も観るけどね。突っ込みたくて。
わざわざ3を劇場で見る気は起きない。タダ券貰っても行かない。時間の無駄だから3がJCOMでやるの待つ。
キアヌファン?が結構評価高いのが腑に落ちない。本当にファンなの?にわかじゃないの?