劇場公開日 2014年9月27日

物置のピアノのレビュー・感想・評価

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3.5震災後の人々の苦悩

2023年7月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

芳根京子扮する女子高生宮本春香は、家族でホタル狩りに行って弟が事故で亡くなって以来物置へしまい込んだピアノを弾いていた。
震災後の桃農家での出来事だが、地元民ですら風評被害で買わない桃はじめ皆色々な傷を持っていたんだね。それでも音楽に救われていたようだ。芳根京子がいいね。それと久しぶりに祖父役で織本順吉を観たな。ちょっと調べてみたら2019年に亡くなっていた。昔よくNHKドラマで観た覚えがあるよ。

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重

4.0見終わって、福島の桃が無性に食べたくなった作品でした、瑞々しい桃のような芳根京子の魅力もたっぷりでしたね

2017年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

難しい

地味だし完成度も高いとは言い難い映画でしたけど、今だからこそ改めて考えさせられるようなところもあったりして、地味に心に響いた作品でした。
東日本大震災から6年以上経過した今となっては、もはや全国的には完全に風化してしまった印象なのですが(政治の話題も被災地の復興については全く触れられなくなりましたもんね)、現実は復興への道半ば・・・そんな今だからこそまだ終わってない、震災について、復興について、改めて考えるいい機会をもらえた作品だった気がしました。
風評被害や上辺だけの同情で、どれだけの方が苦しんできたのか、何かと考えさせられましたし、胸が痛みましたよ。

本作は震災から1年半後の福島県桑折町を舞台にして描かれた映画でしたが、福島県最北端に近い場所で、原発からは遠く離れていたとは言え、まあ実際どうだったのか詳しくは知りませんが、劇中見る限りでは相当な風評被害に苦しんだようで・・・。
地元名産の瑞々しくておいしそうな桃も、あんなに拒絶されるなんて、でもあれが現実だったんだろうなと考えると、心が痛む・・・しかし情報が錯綜して混乱していたあの頃は、正直私も福島産を好んでは食べなかったし、小さいお子さんがいる家庭だったら尚更のことだったでしょう。
その分、今は何とか還元してあげたい、そう言ったところで復興を手助けしてあげたいと、本作を見て改めて思わされた作品でしたね。

ただ元々は震災に関係のない話を無理やり震災を絡めて作ったせいなのか、やや詰め込み過ぎて話にまとまりがないと言うか、中途半端に盛り込み過ぎてそれぞれのエピソードが薄味になってしまった印象は否めなかったかなと。
あくまで主人公家族と主人公自身の苦悩・葛藤そして成長物語だけに絞った方が、映画そのものとしてはスッキリして良い仕上がりになった気がしました、でも・・・それだと意味が無いとまでは言いませんが、この作品の価値は高まりませんから、震災を考えると言う意味では、この内容で良かったのかな・・・。

もし主役の芳根京子がブレークしなかったら、この映画はDVD化されることもなかったのでしょうね、本作撮影時は全く無名だったようですから、この映画が全国的に日の目を見たのは芳根京子様々だったのではないでしょうか。
しかし美人の姉に隠れるような地味な子の役って、さすがにそれは無理があったかな、美しくて透明感があって、こんな子がいたら絶対田舎では話題になるはず!
まあしかし小篠恵奈との美人姉妹、目の保養になりました、姉との確執、そして二人の想いがぶつかって迎えたその結末、兄弟姉妹あるあるな部分も含めて、何かとグッと来ました、音楽や淡い恋心や桃農家の話もいいスパイスとなりましたね、「うさぎ」なふるさとの歌も心に響いたなぁ。
まあ何にしても、青春映画として、ヒューマンドラマとして、震災関連映画として、決して完成度は高くなかったですが、素直に見て良かったと思えた作品ではありましたよ。

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スペランカー

4.5震災がなかったら別物に見える作品になってたはず

2014年10月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

でも、姉妹、家族のつながりは震災があってもなくても素晴らしく描かれた。この映画の芯はちゃんとぶれずに伝えたいことを伝えてくれました。
ミス軽トラ市も颯太のことやピアノのこと、重かったよなー。
妹の気持ちも多分一番わかってくれてて。
家族みんな、やさしい
お姉ちゃんと春香が鏡の前で正面向き合うとこで、何かが溶けるように涙が出た。
きつい、重い、悲しいもある物語
でも観終わると幸せな気持ち

この作品は映画館で観てください。

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らっこおやじ

3.5物置のピアノ

2014年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

2時間近い長い映画であるが、淡々と福島の農村の風景と家族を温かい眼差しで描いているのに、長いとは感じさせられなかった。私は福島に住んでいるのだけれど、自分が住む見慣れた景色を改めて美しいと感じた。
どこにでもいそうな姉妹だが、姉の強く前向きの性格ゆえに2人の間にはっきりとした緊張関係があり、周囲から地味とされてしまう主人公の高校3年の春香は夏になっても自分の進路を決められないでいることを伝えるところから映画は始まる。2人を取り巻く家族もどこにでもいそうな家族であることが、こんな少女は自分の身近にもいるように感じられて、すっと映画に入っていけた。
けっして自分を出さない春香であるが、少し気になる男子の転校生を部員の少ない吹奏楽部に誘う時だけは、自分の殻をを破っていたが、そんなひたむきさも、殻にに閉じこもる内面も、芳根京子はも初々しく、そして可愛らしく演じきっている。
どこか面影が似ている堀北真希のようにブレークするのではないか。きっとその出発点となるであろう芳根京子を見るだけでも、十分に観賞の価値があると思う。

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njbkenji