「どうでもいい」劇場版 仮面ライダー鎧武(ガイム) サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯! くんぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
どうでもいい
(テレビシリーズ視聴)
なんというか、見ている途中、興奮もしなければ感動もない。見終わった後、特に何も残らない作品だった。テーマがサッカーの割りにはとくに物語とも折り合いがついておらず、なんのためにサッカーなのか。何故サッカーなのかはよくわからなかった。
序盤で冷め冷めだったのが
サッカーをしているサッカー場。大勢の観客がいるていなのだが、一部の場所では全くエキストラの居ない席がまるまる写り込んでしまっていて、心底がっかりした。
特撮だからって、低予算だからって、
工夫もなく浅はかに作り過ぎだし愛がない。
これは金田監督作にはよく起こることだが。
知ったような口は聞けないが、テレビシリーズの脚本の虚淵玄にも言えることだがニトロプラスのライターの方と実写ドラマ、特撮の相性の悪さが今回の映画でより際立った印象。ほとんどセリフの言い合いで、物語やキャラクターにリアリティがなく、とても感情移入しずらい作りである。
テレビシリーズにも多少見受けられることだが、主人公の成長についての問題だ。
主人公は力と人間というものに悩み傷つき、より大きな力を手に入れ、何かを代償にしながら自意識を形成するというところが仮面ライダー鎧武の魅力のひとつだが、
実際描かれるものは、諦めないやらなんやらとど根性魂で全てをうやむやにして先に進むという強引なもので、成長とは言えず、ひとつの映画として見ても、残念なところが余計目立つ。そのせいで肝心な変身シーンにカタルシスが生まれず流れ作業のように見えてしまう。変身で胸が熱くならない変身は仮面ライダーとしてどうなんだろうと思う。
常にうざったい演出と残念な作品を生み出してきた金田監督と手腕と、
掴み所がなく、言い合いと精神論のみの地味な脚本。これらがいい感じに重なって出来上がった、鎧武のキャストだけががんばって損をした凡作である。
面白いか面白くないかで言うと、
つまらない。
仮面ライダーの映画史上でも、割とどうでもいい部類に入るのは確実だと思う。