劇場公開日 2014年10月25日

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「●やさしさがじんわり。」小野寺の弟・小野寺の姉 うり坊033さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0●やさしさがじんわり。

2016年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

人に勧められて観た。なるほど。思いのほか良い。タイトルが「小野寺の姉弟」でないのがよい。
小野寺の弟と小野寺の姉の物語。予定調和なラストは全然OKだが、もちょっと救いというか含みが欲しかった。そこが惜しい。
それでも豊かな気持ちになれる作品。ジワッと。笑いもあり。こう、なんか合間、合間に食卓風景が入る映画って好きだ。
ゆっくり、しかし着実に日常が流れてるようで。斜がかかった映像もまた好きだ。昭和な感じで。レトロとは違うけど。
あれは調布の商店街だろうか。

冒頭、幼い弟が姉に殺意を抱いたエピソードは、姉が傍若無人だってことだろう。実際、遊園地に姉弟ふたりでって…と思ったりもする。
だが、不器用なふたりがお互いを気遣っていることが話が進むに連れわかってくる。重くはない。
姉の言うことは弟にとって絶対だ。どんなに理不尽でも。でも基本的には仲良しだ。片親の母を鬱陶しいと思いながらも、一人にはできないでいる息子に近い。姉は姉で、弟を失恋の痛手から立ち直らせようと努力したり、とっても弟想いだ。
弟と姉、それぞれの恋愛の行方は。「ありがとうの香り」とは。

キャストがよい。主人公のふたりはもちろん、個性派たちが。山本美月が可愛い。恩師の木場勝己はホントいい味だしてる。
笑いの間もよい。特に笑えたのは
「ワンデイの人っていうのやめなさい!」
「おかしいだろ。カブトって!」
「どこを(に)出しても恥ずかしくない」

エンディングの阿部真央の歌もぴったりハマる。監督・原作・脚本すべて西田征史なのだね。
舞台も彼が演出して、ふたりが演じたみたいで。日常を描く彼の作品の今後が楽しみ。

うり坊033