紙の月のレビュー・感想・評価
全163件中、1~20件目を表示
こわっ
原作も是非!
原作未読
音楽の違和感
映像表現と鑑賞スキル
派遣社員として銀行で働く平凡な主婦・宮沢りえが、ふとしたきっかけで不倫と横領を始め、深みに嵌り破滅していく物語。ありふれた題材だが、場面に応じて映像表現と言語表現を巧みに使い分ける手法は斬新である。
主人公が不倫を決意する場面は映像表現である。主人公は客の孫である若い男と駅で再会する。隣り合ったホームで見つめ合う二人。主人公側のホームに電車が止まり走り去っていく。次の瞬間、若い男のいるホームの階段を下りてくる主人公の脚が映し出される。その足取りは悲壮ではなく期待感が垣間見える。階段を下りることは、不倫という修羅の世界に堕ちていくことを暗示している。台詞無しの、表情、仕草だけで主人公の揺れ動く心理を表現する宮沢りえの演技力が秀逸である。
ラスト近くの、横領が発覚した主人公の職場からの逃走場面も映像表現。主人公は窓ガラスを割って屋外に脱出する。ガラスは既存社会の壁の象徴。ガラスを割ることは、既存社会のしがらみ、固定観念から主人公が解放されることを意味する。疾走時の主人公の爽やかな表情に自己解放の歓びが凝縮されている。
一方、銀行の権化のように厳格な先輩行員・小林聡美、若さと美貌の中に小悪魔が潜む同僚行員・大島優子と主人公との会話は、洗練された本音の台詞のぶつかり合いであり、三人の女性の生々しさに魅せられる。言語表現の妙である。
よく判らない、期待外れ。私が本作を推薦した人達からの感想である。再鑑賞してその理由を考えてみた。敢えて言語表現に頼って鑑賞してみると、本作は説明不足で意味不明な作品に成り下ってしまう。映像表現の理解度、即ち鑑賞スキルが作品の評価を左右している。それでは、観る側の誤解がないように、全編、懇切丁寧に言語表現を盛り込んだ作品が最良かというとそうではない。
映像表現は映画の醍醐味である。作り手に要求するばかりではなく、我々観る側も努力する必要がある。鑑賞スキルを磨いて映像表現に挑んでいきたい。
幸せになるほどどん底に突き進んでいく。見ていて心臓をキュッとされる...
宮沢りえの凄さを観る映画
簡単に踏み込んでいけないところを簡単に踏み込んでしまう。もう少しリ...
簡単に人を信用してはいけない。
転げ落ちて行く疾走感〜
《お知らせ》
「星のナターシャ」です。
うっかり、自分のアカウントにログインできない状態にしていまいました。(バカ)
前のアカウントの削除や取り消しもできないので、
これからは「星のナターシャnova」
以前の投稿をポチポチ転記しますのでよろしくお願いいたします。
==============
この所の宮沢りえの演技に魅力を感じて観に行ったらなかなかの秀作。
観終わった直後は梨花が大学生に溺れて行く過程が
少々性急過ぎて飲み込めなかったけれど
偶然にラジオで吉田監督のインタビューを聴いたら
「原作を読んだ時に感じた女性が走って行く姿」を
形にしたいとの事で、この犯罪に対して
何か特別な理由を作って共感させるのでは無く
何かきっかけがあれば良いも悪いもぶち壊して
坂を転げ落ちるように踏み外してしまう「人の危うさ」を
疾走感として表現していたとすれば
大学生に溺れて行く性急さや、
最初にお金に手を付けてしまった理由の安易さも、
テンポの良さ重視の演出と言うことになるのかな〜。
犯罪の性質上、映る映像はありふれた街の風景なので
爽快感は比べようもないのだけど
梨花が手にしたお金とその気分は
「テルマ&ルイーズ」の様に
行き場の無い高揚に向かって走って行く。
嘘を隠す為のジタバタさえも逆に笑ってしまう。
宮沢りえもさることながらこの映画
小林聡美が安定の良い仕事してて流石。
同じ様な状況の役を11年前に『すいか』と言うTVドラマで
演じていて、その当時のセリフを
宮沢りえとの対決シーンで思い出してしまった。
『すいか』の方は大金を横領して逃亡した元同僚が
なぜか時々電話をして来ては、
横領したお金でアレをしたコレをしたと報告され、
その度に自分だったらどうしただろうかと
思いをを巡らすだけで
結局は「踏み外せない人」を演じてました。
あまりにまんまな設定なので監督は意図して起用したのかしら?
と思ったくらい。
大島優子も良かった。
大きなくりくり目で世の中を見回して抜け目無く生きて行く
小動物の様でした。(笑)
クライム映画なんだけど綺麗な世界観
紙の月
ニセモノ
全163件中、1~20件目を表示