「収穫に感動。」リトル・フォレスト 冬・春 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
収穫に感動。
去年8月に公開された「夏・秋」編に続く、「冬・春」編。
作りは変わらず、一作毎にエンドロールが入り冒頭解説も入る。
初めて観た時の驚きはもうないが、美味しそうな食材や料理が
並ぶのは同じ。本当にどれもこれも美味しそうで参ってしまう。
農作業や出入りの多い夏秋に比べ、雪深い冬はほとんど家の中。
従って前作に比べると若干面白さは減る。その分ドラマ性を深く
したのかと期待したが、ドラマの方も相変らず淡々としている。
主人公いち子の心の変遷を中心に、母親からの手紙(けっこう謎)
や友人達の意見・アドバイスを受けた彼女の田舎暮らしに対する
考え方がどう変わっていったかが、冬春の見どころとなっている。
主演の橋本愛はすっかり田舎に馴染んでおり、農作業や料理の
手際の良さ(実際に彼女がやっている)や格好なども完璧に近い。
親友キッコの松岡茉優は、奇しくも今TVドラマで同じような
役回りを演じている。どちらも似合ってるので観ていて面白い。
幼馴染役の三浦貴大をどの位置に持っていくのかと思っていたら
あら、そういうことに!?というラスト。意外かそれなりか^^;
更に母親の失踪理由が場面と手紙一部だけというのもどうなの~
などと、やはり今作はドラマ性より料理で勝負!となっている。
冒頭からお餅、納豆、小豆、ばっけ、山菜、つくし、ケーキ…
あぁ何なんだよ、このよだれの出るオンパレードは!素晴らしい。
何気ない素材の説明から保存法に料理法、小豆の収穫なんて初で
あんな風にできるのか!と感動してしまった。ホント勉強になる。
やはりこの作品は目で観る究極のレシピ本なんだろう。
(二人の女優の成長ドラマともいえる。今、絶賛売り出し中だしね)