「難題をこう表現したか!!」シークレット・チルドレン ラジオ頭さんの映画レビュー(感想・評価)
難題をこう表現したか!!
この監督の前作、「Lily」が個人的にはA++の高得点のとても素晴らしい作品だったので、上映前から期待していました。
今回の「シークレット・チルドレン」もなんとも独特な「間」と「色彩」で、「人」の映し方は普通の日本人監督とは違う、超現実感満載の表情を切り取ってます。
内容もとても興味深いテーマだったので、「シークレット・チルドレン」の上映中も「クローンの人権」や、今後リアルにおこりえる未来を想像しながら観ました。
子供の頃に「バックトゥザフィューチャー2」とか観て思い描いていた「未来」って、案外今となっては服装や端末機器等は進化してても、日常生活や街の風景はたいして変ってなくて、この「シークレット・チルドレン」も、ハリウッドのSF映画のような派手さは無いですが、そこがまたリアルで、じんわりくる怖さもあって良かったと思います。
最近はCGや大金だけかけたつまらないハリウッド映画が多いですが、やはりキューブリックの「時計仕掛け…」のように、派手さのない近未来映画が逆にリアルで良いのではないでしょうか?
「シークレット・チルドレン」は脚本や映像も良いですが、出演者の表情が良かったです。ドミニクの壁に寄り掛かっている時の表情や、黒人の「対面」した時のはにかんだ笑顔とか、んー、よかった! なんとも泣けてきます。
派手なSF映画で「クローン」というテーマは多くありますが、この静かな近未来映画「シークレット・チルドレン」もアリだと思います。
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