「舞台はここまでできるのか 取り憑かれた様な演技と痛々しい展開」ナショナル・シアター・ライブ「フランケンシュタイン」 夜鷹さんの映画レビュー(感想・評価)
舞台はここまでできるのか 取り憑かれた様な演技と痛々しい展開
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舞台は今まで劇団四季と宝塚しか見たことがなかったが、歌って踊って眩しいそれらとは全く種類が違うものだったように思う。たくさんの火花を撒き散らす車だったり土砂降りの雨だったり本物の植物だったり、丸くそこまで広くない舞台にもこんな使いようがあるのかと驚いた。ベネディクト・カンバーバッチ演じるフランケンシュタインも演じていると言うよりかは幼児が憑依しているかのようで、喃語のようなものを話しながら嬉々として外を駆け回る様子も人間が鹿のように最初から歩けるようだったらきっとこんな感じだろうと思うようなリアルな拙さで良い意味で気味の悪さを感じた程だった。ストーリーも人間の悪い所が隠さず描かれていて満足。ルシファーの堕天やアダムとイブの楽園追放とフランケンシュタインの生い立ちを重ねている点も面白い。フランケンシュタインと博士の関係性は概念としての科学と人間を表しているようだと思った。愛しそれが故に罪悪感に苛まれ失望させられ恐れを抱く。なんだか謎にドン引きして唖然とした気持ちで劇場を後にした。いつの日か絶対本場のナショナルシアターへ行こう。
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