夜に生きるのレビュー・感想・評価
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「ザ・タウン」の別バージョンのようにも感じられる一作
『アルゴ』で映画界の高みに立った後、ベン・アフレックがもう一度、ホームグラウンドであるボストンへと舞い戻り、そこを起点とした抗争劇を描き尽くした一作。本作にはアフレックの弱みと強みが同居している。強みはその土地の濃厚な空気を描き出すことができる点。俳優同士の互いにジリジリと視線を絡ませるような緊張感も随所に介在する。その一方で、これまで彼の監督作では封印してきた、甘い演技が復活しているのが難点か。禁酒法時代に特有の、煙草の煙がゆらりと立ち昇るゆったりした物語運びと、彼の曖昧な笑みは、そのテンポに不慣れな観客にとってダルさを感じさせるかもしれない。だが、本作が救われるのはクリス・クーパーとエル・ファニング演じる父娘が現れるあたりからだ。彼らの堕ち方はリアルで、不気味で、この映画の凄みとなって突き刺さる。そしてラストの余韻は、筆者の目にはどこか『ザ・タウン』の別バージョンのようにも感じられた。
ロストジェネレーションって事でしょ。
『あなたの世界では暴力は終わらない』
『今、ここが天国』
つまり、天国は今も暴力は終わらない。そんな世界にみんな住んている。
自由と民主主義の国アメリカは、色々な搾取で大きくなったって事か。ヨーロッパでは、このあと自由は奪われ、ナチスが台頭する。つまり、本当の暴力は、ここから始まり、ナチスは無くなったようだが、暴力は今でも続く。
生きぬく事は天国にいる事だが、同時に地獄の悪夢は続くって事か。
ヘミングウェイ等の『失われた世代』とつながる怠惰な考え方なので、面白いが評価出来ない。大変に残念だ。
タイトルなし
ラスト、ギャングを引退して妻子と幸せに暮らすベン・アフレックだが、クリス・クーパー演じる元警察官に乱射され、妻が死ぬ。夜に生きるのタイトルの意味がわからないけど、ギャングはギャングということ。
ベンアフレックがかっこよく見える病気
ゴーンガールあたりからベンアフレックがかっこよく見えるという謎の病気にかかっていまして、この作品もベンが見たくてみることにしました。病気ってゆっちゃうととっても失礼ですが、自分でもよくわからないのですが、なんかかっこよく見えちゃうのですね。
シエナミラーの化けっぷりがすごかったです。最後まで誰か分からんかったです。
禁酒法時代のギャングの話です。
この手の物語の素養がない私ですが、夢中で見ました。先の予想をしたり、時間配分を考えたりすることなく集中して見ました。グロ、バイオレンスは苦手なんですが、それでも見られる程度かと思います。
禁酒法時代のギャングものって、多分定番なんだと思うのですが、素養がないのでとても物珍しくみられました。
主人公は恵まれてる人ですね。
お父さんが弁護士を脅して、懲役3年で済んだとか、ズルに助けられてます。
ギャングとマフィアの定義の差異ってなによと思いました。
ジョーはギャングだけどマフィアじゃないってゆうてました。
まあ、ジョーがええ人に描かれすぎな気もしますけどね、一途で悪事は働いても信念はある、みたいなね。ずるくない?ってね。でも、面白かったです。
最近エルファニングの出ている映画をたくさん見ているのですが、ここでもよかったです(ほいで最近ダコタみやんけどどうしてるんやろね)。
ドラッグに溺れたことを父に責め続けられ、やがて堕落を悔い、布教に活路を見出したかと思いきや(それがジョーの計画を狂わせるわけです)、最終的には自殺してしまうという、哀しい少女でした。
南部のプロテスタントのちょっと行き過ぎた禁欲的な感じとか、KKKがなんかふつーの思想っぽく思われてた時代なんやーとか、いろいろ、そうなんやね知らんかった、ってことがあって、勉強になりました。
グランシエラの顛末はかわいそうでした。そしてグランシエラ役のかたとってもきれいな人でした。
ホテルでのイタリア系、アイルランド系のどちらのマフィア(ギャング?)にも狙われる羽目になったジョーが、地の利を生かして勝った(つまり殺しまくった)あたりは、趣味ではないのですが、悔しいかな面白かったです。
もうベンアフレックをかっこいいと思う病気だなんていわず、ちゃんと好きって認めてちゃんとファンになった方がいいなって思いました。
よかった
女がみんな性格きつそうで、近づきたくない気持ちしかならなかった。最初の彼女をお父さんが「情婦にしかなれないタイプ」と本人の前で言っていたのがすごかった。
上手にまとまっているけどあんまり興奮しなかった。もっと血が騒ぐような映画が見たかった。
土曜日は子供と映画を見て、その後釣りをするというのはオレの夢だ。
期待するものが違ったか
『ザ・タウン』、『アルゴ』の成功で監督としてその名を認められ、見事スクリーンにそのデカい顔と図体をカムバックさせた俳優ベン・アフレックの監督・主演最新作!
原作が『ミスティック・リバー』や『ゴーン・ベイビー・ゴーン』(こちらもベンが監督)のデニス・ルヘインということでも気になっていた作品です。
禁酒法時代のギャング映画という前情報とタイトルやらポスターやらで、クライムアクション満載、闇社会でのし上がっていくアウトローのサクセスストーリーを期待していました。
さて、本編はどうだったかというと...。
冒頭の舞台、ボストンでは20年代のファッションや街並みが再現され、当時のフォードによるカーチェイスが繰り広げられるなど、期待を裏切らない展開を見せます。ベンは堂々としてカッコイイ!シエナミラーもファムファタル的な美女がハマっています。
ところがそんな夜の世界から、舞台はカンカン照りのフロリダはタンパへと早々に移り、ベンはボスからのプレッシャーを受けながら密造酒ビジネスとカジノ建設にあくせく奮闘する日々に...。
ゾーイソルダナという妻も得て、頑張ってタンパを仕切るベンですが、KKKに嫌がらせされたり、信仰に目覚めた少女(エルファニング、かわいい)ひとりにカジノ建設を邪魔されたりと、悩みの種は尽きません。この辺り、中間管理職の悲哀を感じさせます。
一応、そんな中でも敵を殺したりはしているものの、観ているこちらが彼から受ける印象はギャングというよりビジネスマンです。なんだか情けないぞ、ベン!
最後には、それまでの不満が爆発し見事に鬱憤を晴らし、そこは流石に観ながらガッツポーズしたけれど...タメが長いよ〜!という感が否めなかったです。
そもそもは自分をボコボコにしシエナミラーを死に追いやった前ボスへの復讐として、新たなボスの元についたはずのベン。
しかし先にも書いたようにタンパについた途端ゾーイと付き合いだし、前ボスへの言及も大してないままに話が進んでいくので、復讐劇としての映画の推進力は薄れていってしまいます。しかもやってる事は上からの命令によるビジネスでそれ以上の野心も感じられず、観客としては主人公を応援する、ひいては映画を観続けるモチベーションが保ちにくいのです。
これが観ながら感じた不満のひとつでした。こいつ、何がしたいんだろう?という。これは監督としてのベンにも言えることです。
彼はこの作品をクライムサスペンスの映画ではなく、あくまでヒューマンドラマとして撮りたかったのでしょうか。
ラストの展開も、ここで夜の世界にカムバックするのかと思いきや、そうしない...。
不満は演出にも飛び火し、無闇に動くカメラワークや前後のフォーカス移動が気に入りませんでした。そんな事しなくても画面はつくれるでしょう。顔のアップは個人的に好きなのでよかったのですが、気になるひとは気になるかも。あとは時間の処理がまずくて、どの位の期間の出来事なのか私にはいまひとつわかりませんでした。
とにかく観ていてモヤモヤする一本、というのが観終わった直後の印象でした。
ただ、ベンアフレックは好きな俳優なので、バットマンなどよりかはこっちの路線で引き続き頑張って欲しいです。なので星はちょっとおまけ。
また、色々書きましたが決してつまらない作品ではないですし、あの時代にこういう生き方を選んだひとりの男と彼が愛した女性を描いたドラマとして観直したなら、違う評価になり得ると思います。
そしてなにより脇を固める俳優たちの渋さと女優たちの美しさ、ベンアフレックのカッコよさ(これは好みによりますが)は非常にうまく撮られていました。この辺は監督自身が俳優だからこそよく解っているのかもしれませんね。自分より美男を出さないのはご愛嬌。
よく第二のイーストウッドなどと言われるベンですが、監督としては『ザ・タウン』で意識していたマイケル・マンを継ぐような作品を撮っていってほしいと個人的には思っています。そういう私の勝手な期待が、今回の不満の一番の要因だったのでしょう。
最後に一言。ぜんぜん“夜に生き”てないじゃん!!
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