「実力派揃い踏みで送る悪夢のようなハイスピードムービー」インヒアレント・ヴァイス オレさんの映画レビュー(感想・評価)
実力派揃い踏みで送る悪夢のようなハイスピードムービー
元カノのシャスタから不動産王と謳われるミッキーウルフマンに迫る危機から彼を救って欲しいとの依頼を受けた私立探偵のラリードックスポーテッロ。
1970年代のロサンゼルスを舞台に様々な人物とトラブルに巻き込まれていくドックの姿を描いた作品。
髭なのかもみあげなのかわからないほど毛深い姿が印象的なホアキンフェニックスを主演に、ジョシュブローリンやベニチオデルトロなどの豪華俳優陣を社会派ヒューマンドラマの第一人者、ポールトーマスアンダーソンが監督した今作は、主人公のドックが様々な人物と出会い、事件の真相へ深く深く潜り込んでいく様をユーモラスかつシリアスに描いているのだが、ハイテンポに登場する新たな依頼人とその関係者など登場人物があまりにも多く、本筋を見失ってしまうカオスな構造を持った作品であった。
そんな中でもビッグフット警部補の存在感が強烈で作中のドックとの敵とも味方ともいえる関係性が非常に面白く、魅力的なキャラクターを名優ジョシュブローリンが演じているのが印象的だった。
謎に日本人が経営しているパンケーキ屋ではちゃめちゃな日本語と声量でもっとパンケーキをくれと注文したり、マリファナを葉ごと貪り食うなど主にモノを食べるシーンと低く凄味のある声が渋く印象的だった。
作品紹介にあるような70年代当時のポップカルチャーをフィーチャーした表現も多く、そのあたり知識があるとより楽しめるかもしれない。
とりあえずいろいろな意味でヘビーな作品なので楽しんでもらいたい笑。
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