「海の記憶と記録。」白鯨との闘い rioさんの映画レビュー(感想・評価)
海の記憶と記録。
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白鯨との戦いというよりは、白鯨を象徴とした海・自然の中をどう生き抜くかという物語だった。
最初、彼らの中で鯨は仕留めるものという存在だったように思う。けれど巨大な白鯨が現れてからは対等に戦うものとなり、やがて漂流生活を続ける内に自然は戦いを挑む存在ではなく圧倒的に君臨するものとなった。どちらが強いか、ではなく、この強く美しく過酷な自然の中でどう生き抜くか。その象徴としているのが白鯨だった。
港から見る夢の海、船から見る希望と失望の海、島から見る絶望の海、ボートから見る無限の海。こんな過酷な状況下の時かけていい言葉なのかは分からないけど…でもとても美しかったなあ。人には作れない美しさ。
邦題はもうちょっと何かあったのでは?と思いながら公式サイトを覗いたら、「#くじらでかい」のタグキャンペーン……誰の日本語センスなのか気になる。
印象に残った場面
・「船酔いを直してやろう!」
・エセックス号が燃えながら沈んでいく中、ポラードの書いていた日誌のインクが海に溶けていく
・朦朧とした意識で見るカモメが飛び交う空
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